最新記事

米朝会談

北朝鮮チェ外務次官「米との核協議停止を検討、ミサイル発射中断見直しも」

2019年3月15日(金)16時34分

北朝鮮は米国との核協議の停止を検討しており、米国が譲歩しなければミサイル発射や核実験の一時停止措置についても再考する可能性がある。写真は先月28日にハノイで行われた2度目の米朝首脳会談で撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)

北朝鮮は米国との核協議の停止を検討しており、米国が譲歩しなければミサイル発射や核実験の一時停止措置についても再考する可能性がある。複数のメディアが15日、北朝鮮高官の話として伝えた。

ロシアのタス通信やAP通信によると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は、2月にハノイで行われた米朝首脳会談が物別れに終わったことについて米政府高官を非難した。

タス通信によれば、崔次官は北朝鮮が非核化に向けた米国との協議を停止することを検討していると発言。平壌での記者会見で「北朝鮮は(ハノイ会談での)米国の要求に屈するつもりも、そのような交渉を持つつもりもない」と語ったという。

同次官はまた、ポンペオ米国務長官とボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が「敵意と不信感の雰囲気を作り出し、米朝の最高指導者間の建設的な交渉努力を阻んだ」と非難したという。

タス通信はさらに、同次官の発言として、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が近く、米国との協議を巡る自身の立場について公式に発表すると伝えた。

AP通信によると、崔次官は、米国はハノイでの首脳会談で絶好の機会を逃したと発言。金委員長が履行中のミサイル発射停止措置を再考する可能性があると警告した。

AP通信によると、同次官は「米国のギャングのような姿勢はいずれこの状況を危険に陥れる」とも述べた。一方で、「両最高指導者間の個人的な関係は依然として良好で、相性は不思議なことにすばらしい」と付け加えた。

韓国大統領府は声明で「崔次官の発言だけで現在の状況6を判断することはできない」と指摘し「状況を注視しており、どのような状況にあっても政府は米朝協議の再開に向けて取り組んでいく」との立場を示した。

米ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS)のジョシュア・ポラック氏は北朝鮮が最後通告をしている可能性があるとの見方を示し、「北朝鮮は状況が変わらなければ事態がどちらの方向に進むかを示そうとしている」と述べた。

米国のビーガン北朝鮮担当特別大使は11日、先の米朝首脳会談は物別れに終わったものの、米朝間の「外交はまだ非常に活発」と発言。15日の北朝鮮高官の発言は、ビーガン大使の楽観的な見方に逆行する内容となった。ただビーガン大使は、首脳会談後に両国間で協議が行われたかについては言及を控えていた。

対北朝鮮強硬派のボルトン大統領補佐官は、トランプ大統領は3回目の米朝首脳会談に前向きだとする一方、北朝鮮が非核化に向け動かなければ制裁強化を検討すると警告していた。

[ソウル 15日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプのイラン攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月10号(3月3日発売)は「トランプのイラン攻撃」特集。核・ミサイル開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。アメリカとイランの全面戦争は始まるのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン戦争は2週目に、トランプ氏「無条件降伏」求め

ビジネス

アングル:欧州で若者向け住宅購入の新ビジネス、価格

ワールド

焦点:道半ばの中国「社会保険改革」、企業にも個人に

ワールド

昨年の関税合意実施を米と確認、日本が不利にならない
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗雲...専門家「イランの反撃はこれから」「報道と実態にズレ」
  • 2
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 3
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 4
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 5
    【WBC】侍ジャパン、大谷翔平人気が引き起こした球場…
  • 6
    女性の顔にできた「ニキビ」が実は......医師が「皮…
  • 7
    大江千里が語るコロナ後のニューヨーク、生と死がリ…
  • 8
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 9
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 10
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中