最新記事

核・ミサイル開発

北朝鮮、東倉里ミサイル発射施設で復旧の兆候 米朝会談決裂でミサイル実験再開?

2019年3月6日(水)09時40分

韓国の情報機関、国家情報院(NIS)は、北朝鮮が解体した東倉里のミサイル発射施設の一部を修復している兆候を検知した。聯合ニュースが報じた。写真は3月2日時点の東倉里ミサイル発射施設を撮影した衛星写真 REUTERS

韓国の情報機関、国家情報院(NIS)は、北朝鮮が昨年解体を開始した東倉里のミサイル発射施設の一部に復旧の兆候があることを確認した。聯合ニュースが5日報じた。

聯合ニュースがNISから説明を受けた議員の情報として伝えたところによると、北朝鮮は東倉里のミサイル発射施設の屋根とドアを修復している。

施設復旧の兆候が検知された時期については報じていない。

トランプ米大統領は昨年6月の米朝首脳会談後の記者会見で、北朝鮮が主要なミサイルエンジンの実験施設を間もなく解体すると確約したと説明した。

トランプ氏はどの施設か特定しなかったが、米高官はその後ロイターに対して、東倉里にある西海衛星発射場だと述べた。

米政府関係者は、こうした問題でNISの情報は信用できると思われるが、今回報じられたことは特に警戒を要することではないようだと指摘。2017年以降停止しているミサイル実験の再開を示すような兆候ではなないとの見方を示した。

昨年7月には、北朝鮮が西海衛星発射場とロケットエンジン試験台の解体作業に着手したことが衛星写真から確認された。ところが、その後撮影された衛星写真では、作業が8月上旬ころにストップしたことが示されていた。

米国務省のパラディーノ報道官は記者会見で、米国は北朝鮮と引き続き連絡を取っていると説明。ただ、ハノイの米朝首脳会談以降、北朝鮮と連絡を取ったかどうかは明らかにしなかった。

同報道官は、ビーガン北朝鮮担当特別代表が6日に韓国と日本側の担当者と会談する予定だと説明した。

聯合ニュースはまた、NISから説明を受けた議員の情報として、寧辺の5メガワットの原子炉は昨年終盤から稼動の兆候はなく、プルトニウム再処理作業が行われた兆候もないと報じた。また、豊渓里の核実験場の地下トンネルは昨年5月以降閉鎖されているという。

[ワシントン 5日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本の小説36
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月16日/23日号(9月9日発売)は「世界が尊敬する日本の小説36」特集。優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期

ワールド

台湾中銀、政策金利据え置き 成長予想引き上げも関税

ワールド

UAE、イスラエルがヨルダン川西岸併合なら外交関係

ワールド

シリア担当の米外交官が突然解任、クルド系武装組織巡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 5
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中