最新記事

ベネズエラ

飢えた自国民を経済封鎖し、支援物資を求める人々に発砲するマドゥロの狂気

Venezuelan Forces Shoot Protesters Demanding Aid

2019年2月25日(月)15時30分
トム・ポーター

衝突で大混乱となり支援物資搬入が失敗に終わったことを受けて、グアイドはマドゥロ政権打倒を目指して国際社会が「あらゆる選択肢」を検討するよう提案。同日の夜にこうツイートした。

「今日の出来事を受けて決心した。われわれは国際社会に対し、ベネズエラの自由を守るため、いかなる選択肢も排除してはならないと正式に提起する」

マイク・ポンペオ米国務長官も同日、ベネズエラ軍による市民への暴力を批判し、こうツイートした。

「アメリカはマドゥロ率いる悪党どもによるベネズエラ市民への攻撃を非難する。それらの攻撃で死傷者が出た。犯罪行為の犠牲者やその家族に心からお悔やみ申し上げる。われわれは正義を求める市民の要求を支持する。#EstamosUnidosVE(ベネズエラと連帯する)」

マイク・ペンス米副大統領は2月25日、コロンビアの首都ボゴタで開かれる、米州諸国でつくる「リマ・グループ」の緊急首脳会合に出席し、グアイドと会談する予定。今回の衝突を受けて、アメリカはマドゥロ政権に対する制裁を強化する見通しだ。

「いかなる形であれ、もしベネズエラ軍が市民を攻撃するかネガティブな反応を示せば、ペンス副大統領や諸外国はマドゥロ政権を国際的な金融取引からもっと締め出すために、新たな対抗措置を打ち出す可能性がある」と、米国務省の関係者が匿名を条件にロイター通信に語った。

人権団体にも危機感

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、マドゥロ政権がデモ隊に対する武器の使用をやめるよう訴えた。

「われわれはニコラス・マドゥロに武器の使用をやめるよう要求する。治安部隊は市民に対する銃器などの武器の使用をやめなければならない。ニコラス・マドゥロを支持する武装組織を解体させなければならない」と、アムネスティ・インターナショナルの南北アメリカ担当ディレクターを務めるエリカ・ゲバラ・ロサスは言った。

「市民に対する武器使用は重大な人権侵害であり、国際法違反の犯罪だ」

(翻訳:河原里香)

ニューズウィーク日本版 Newsweek Exclusive 昭和100年
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月12日/19日号(8月5日発売)は「Newsweek Exclusive 昭和100年」特集。現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:屋台販売で稼ぐ中国の高級ホテル、デフレ下

ワールド

メラニア夫人、プーチン氏に書簡 子ども連れ去りに言

ワールド

米ロ首脳、ウクライナ安全保証を協議と伊首相 NAT

ワールド

ウクライナ支援とロシアへの圧力継続、欧州首脳が共同
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に入る国はどこ?
  • 4
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 5
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 6
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 7
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 8
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 9
    「デカすぎる」「手のひらの半分以上...」新居で妊婦…
  • 10
    【クイズ】次のうち、「軍事力ランキング」で世界ト…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 6
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 7
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 8
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 10
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中