最新記事

スパイ

米司法省、中国国家安全省の経済スパイを逮捕・起訴 航空宇宙企業の専門家を標的に活動

2018年10月11日(木)11時08分

米司法省は10日、GEアビエーションなど米国の航空宇宙企業数社から企業秘密を盗もうとした疑いで中国国家安全省の経済スパイを逮捕、起訴したと明らかにした。写真はGEアビエーションのジェットエンジン試験のようす。Matt Sullivan-REUTERS

米司法省は10日、GEアビエーションなど米国の航空宇宙企業数社から企業秘密を盗もうとした疑いで中国国家安全省の経済スパイを逮捕、起訴したと明らかにした。

逮捕されたのは江蘇省の国家安全省で次官を務めるYanjun Xu被告で、4月にベルギーで拘束され、10月9日に米国に身柄が引き渡された。ワシントン・ポスト紙によると、米国の工作員によりベルギーにおびき出されたという。

起訴状によると、Xu被告は2013年12月頃から航空会社をターゲットとして活動。企業に勤務する専門家らと接触した上で、大学での講演などのため中国へ招待し、費用や給与を負担していたという。

連邦捜査局(FBI)防諜部門のビル・プリースタップ氏は「今回の中国情報部員の前例のない引き渡しで、中国政府が米国への経済スパイを直接監督していることが明らかになった」と述べた。米政府は通商政策や知的財産問題に関し、中国政府への圧力を強めている。

ジョン・デマーズ司法次官補(国家安全保障担当)は「米国を犠牲にして自国を発展させるという中国の経済政策の一環だ」とし、「わが国の原動力や頭脳の生み出した成果をかすめ取ろうとする国を許すことはできない」と述べた。

中国大使館や同被告の弁護士からのコメントは得られていない。

米国では共謀罪および経済スパイの量刑は最長15年。共謀罪および営業秘密窃取罪は最長10年。

[ワシントン 10日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

都区部CPI、12月は+2.3%に大幅鈍化 エネル

ワールド

米、ナイジェリアでイスラム過激派空爆 「キリスト教

ビジネス

鉱工業生産11月は2.6%低下、自動車・リチウム電

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、個人の買いが支え 主力株
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中