最新記事

極右

NYで白人至上主義者が乱闘騒ぎ、トランプと共和党と警察も共謀?

'Proud Boys' Will Be Investigated By Hate Crimes Unit

2018年10月16日(火)16時00分
ジェイソン・レモン

Andrew Kelly-REUTERS

<共和党の会員制クラブの外で発生した乱闘騒ぎの発端はトランプ支持を表明している「プラウドボーイズ」>

米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(民主党)は、10月12日の夜にマンハッタンにある共和党員向けの会員制クラブで起こった暴動について共和党を批判。この暴動にドナルド・トランプ大統領を支持する極右グループ「プラウドボーイズ(自らの民族を誇る男たち)」の複数のメンバーが関与していたとして、ヘイトクライム(憎悪犯罪)の捜査を行うよう警察に呼びかけた。

クオモは10月14日の記者会見でこの一件についてトランプ大統領の責任も指摘。トランプと共和党が米国内の分断を煽っていると非難した。

WAMCノースイースト・パブリック・ラジオによれば、クオモは「大統領は遊説で『民主党員は暴徒だ。彼らは混乱をもたらす存在であり、過激主義者だ』と言い、ニューヨーク州の共和党は、暴力やヘイトスピーチを行うことで知られているグループをイベントに招いた」と発言。プラウドボーイズは騒動を引き起こす狙いで同クラブに招待されたと示唆した。


「死人が出ていた可能性も」

「西側の熱狂的愛国主義者」を自認するプラウドボーイズは10月12日、マンハッタンのアッパー・イーストサイドにある同クラブで開かれたイベントに出席した。

イベントに先立ち、何者かによって、クラブの建物に共和党員と民主党員を批判する内容の落書きがなされた。FOXニュースをはじめとする右派のメディアは反ファシズムを掲げる活動家たちの仕業だとしているが、当局はまだこれを確認していない。

イベント後、プラウドボーイズのメンバーたちは、クラブの外で人種差別反対のデモ隊が抗議を行うなか、警察に誘導されて会場を後にした。当時の様子を撮影した動画と目撃者の話からは、デモに抗議していた人物が、プラウドボーイズのメンバーの一人が被っていた「アメリカを再び偉大な国に」のロゴ入り帽子を取ろうとしたのがきっかけで乱闘騒ぎが勃発したようだ。

これを受けて、プラウドボーイズのメンバー数十人が仕返しに人種差別反対のデモ参加者たちを攻撃。ソーシャルメディアに投稿された複数のビデオには、少なくとも一人のメンバーが「外国人を殴ってやった」と自慢げに話す様子が映っている。「警察が制止しなければ死人が出ていただろう」と、フォトジャーナリストのサンディ・ベイチョムは本誌に語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独経済団体、半数が26年の人員削減を予想 経済危機

ワールド

中国軍、台湾周辺で実弾射撃伴う演習開始 港湾など封

ビジネス

韓国クーパン、顧客情報大量流出で11.8億ドルの補

ワールド

尹前大統領の妻、金品見返りに国政介入 韓国特別検が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中