最新記事

中国社会

崩れ落ちる中国経済 住宅ローン地獄で家計債務がリーマン危機前水準に

2018年8月2日(木)18時20分

急速な変化

厦門市には最近建設された高層建築があふれており、地方政府は市の中心である厦門島を除く周辺地区の開発を推進している。

同市の新築住宅価格は2015年から今年6月までに53%上昇しており、年換算では約19%と、中国国家統計局が調査対象としている70都市の中で最大の伸び率を記録。同時期における厦門市の可処分所得の伸び率は平均8.4%にとどまった。

公式統計に基づいたロイターの計算によれば、中国全体の新築住宅価格は、2015年以来20.7%上昇している。

しかし、冒頭で紹介したYangさんのような住宅所有者が警戒すべきは、住宅購入を規制する新ルールの導入以来、厦門市での住宅販売が低迷し、既存の住宅価格が今年1─6月で4.8%下落している点だ。

ロイターの計算によれば、他の70主要都市における同価格は平均3.9%上昇している。

厦門市民にとり、住宅価格と収入のギャップが拡大している。90平方メートルの住宅価格は平均45万ドル(約5000万円)だが、1人当たり所得は年間約7500ドル(約83万円)にとどまっている。

購入者に住宅ローン返済をする余裕があるとしても、住宅価格の最低3割は頭金として要求される場合が多い。平均価格で見ると、これは60年分の可処分所得に相当する計算になる。

2人の子供を持つ28歳のHuangさんは、自分と妻の両親が昨年200万元の頭金を出してくれたという。姓だけを教えてくれたこの男性は、住宅ローンの返済が月8000元に達しており、他に使えるお金はほとんど残らない、と語った。

「いらいらするし、疲れ果てて、うんざりしている」と彼は言う。

国際決済銀行(BIS)によれば、昨年末時点で厦門市における家計債務は同市の国内総生産(GDP)の98%に達し、全国レベルの同55%を大きく上回り、米国における家計債務の対GDP比79%よりも高くなっている。

さらに、厦門市における家計貯蓄に対する家計債務の比率は182%と驚くほど高い。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

商品市場が急落、次期FRB議長指名受けたドル高が圧

ビジネス

次期FRB議長、FOMC説得に「難しい舵取り」=ア

ワールド

米1月雇用統計、政府閉鎖で発表延期 12月雇用動態

ワールド

ゼレンスキー氏「エネ・インフラへの新たな攻撃なし」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 2
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 3
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 4
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 5
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 6
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 7
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタ…
  • 8
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 9
    共和党の牙城が崩れた? テキサス州で民主党が数十…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中