最新記事

ヘルス

ショウガの辛み成分には口臭を消す力があった

What Is 6-gingerol? It Might One Day Cure Bad Breath

2018年8月2日(木)18時16分
アリストス・ゲオルグ

口のニオイの元を分解してくれる身近な野菜が見つかった! Big_Ryan/iStcok.

<厄介な口臭を数秒で退治する特効薬はすぐそこ>

口臭が気になるなら、ショウガの辛み成分が悩みを解決してくれそうだ。

ギンゲロールというその辛み成分は、唾液の中の酵素を活性化してニオイの元を分解、息をさわやかにしてくれる、というのだ。米農業・食品化学ジャーナルに論文が掲載された。

独ミュンヘン工科大学ライプニッツ食品システム生物学研究所の研究チームは、唾液の成分に食品の成分がどんな影響を及ぼすかを調べた。

食品に含まれる多くの成分は、そのまま食品や飲み物の味を構成している。ギンゲロールもその一つ。

臭い消し酵素が16倍に

実験では、人間の唾液にギンゲロールを加えてみた。すると「スルフヒドリル酸化酵素」という酵素がわずか数秒で16倍に増えた。これは、硫黄を含んだ嫌な臭いの元を分解してくれる酵素なのだ。コーヒーのように長時間口の中に残る後味を減らし、息をきれいにしてくれる効果もある。

この発見は、新しいブレスケア製品開発につながりそうだと研究チームは言う。

ミュンヘン工科大学の食品化学分子感覚科学部長で論文主筆のトマス・ホフマンは、食品の成分が唾液や味覚に及ぼす複雑な相互作用や、その生化学的プロセスについては、まだまだ研究の余地があると述べている。

ギンゲロールはショウガの主要成分のなかでも薬理学的に活発な成分の一つ。抗ガン作用、抗炎症作用、抗酸化作用など、健康にさまざまな効果があることで知られている。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バチカンでトランプ氏と防空や制裁を協議、30日停戦

ワールド

豪総選挙は与党が勝利、反トランプ追い風 首相続投は

ビジネス

バークシャー第1四半期、現金保有は過去最高 山火事

ビジネス

バフェット氏、トランプ関税批判 日本の5大商社株「
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 3
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見...「ペットとの温かい絆」とは言えない事情が
  • 4
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 7
    「2025年7月5日天体衝突説」拡散で意識に変化? JAX…
  • 8
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 9
    「すごく変な臭い」「顔がある」道端で発見した「謎…
  • 10
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 10
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中