最新記事

動物

「飼い主様を救え!」 必死に心肺蘇生術を施す犬のビデオが話題に

2018年7月2日(月)17時30分
松丸さとみ

twitter/policiademadrid

心臓マッサージと脈の確認をする犬のポンチョ

自分にもしものことがあったら、愛犬が助けてくれるかも......。そんな愛犬家の夢のような(?)状況を捉えたビデオが、ソーシャルメディア(SNS)で拡散された。仰向けに倒れ込んだ警察官に、犬が心肺蘇生法(CPR)を施す様子だ。

動画は、スペインのマドリード警察が22日にツイッターに投稿したもので、7月2日時点で3万件以上の「いいね」がつき、再生回数は300万回近くに達している。

ビデオで懸命にCPRを行なっているのは、「ポンチョ」と名付けられたサービス犬だ。自分のハンドラーである警察官が倒れるとそこに走り寄り、心臓をマッサージするかのように胸の上でジャンプしたり、首元に顔を近づけて脈を図ったりするようなしぐさを見せている。これを見た会場からは大歓声が起こった。

英紙インディペンデントによると、マドリード警察はスペイン語で、「ポンチョの英雄的パフォーマンス。警察官の『命を救うこと』に少しもためらうことなく堂々とCPRを実施した」とツイート。米国人作家ジョン・ビリングス氏の言葉「犬はこの世で唯一、自分よりもあなたを愛してくれる存在だ」という言葉も引用した。


ポンチョだけじゃない、CPR犬

ヨーロッパのニュース専門放送局ユーロニュースによると、この「技」は警察が行なっている学校訪問で子供たちに見せた催し物で披露されたものだ。警察の広報担当者であるフェルナンド・ロドリゲス氏は、ポンチョが数年前からCPRの「技」を行なっているとユーロニュースに話した。ただしポンチョは実のところ、自分担当のトレーナー相手でなければこの技をできないとロドリゲス氏は明かしている。

また、ポンチョが「CPR」のパフォーマンスを行った初めての犬というわけではない。英タブロイド紙のザ・サンによると、2017年3月に行われたドッグ・ショーで、CPRを披露した犬がいるのだ。

英国で毎年3月に開催される世界最大のドッグショー「クラフツ」に出場したベルジアン・シェパードのデリルとハンドラーのルーシー・インベルグローバさんは、約4分間の演技の中で、手りゅう弾の犠牲になったインベルグローバさんにデリルがCPRとマウス・ツー・マウスを施すというパフォーマンスを取り入れ、会場を沸かせた。

病院外の心臓発作、CPRで45%が蘇生

CPRとは、心肺機能が停止したかそれに近い状態にある人に対し、人工呼吸や心臓マッサージを行い、心肺機能の蘇生を試みる一次救命処置だ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米CIA、中国高官に機密情報の提供呼びかける動画公

ビジネス

米バークシャーによる株買い増し、「戦略に信任得てい

ビジネス

スイス銀行資本規制、国内銀に不利とは言えずとバーゼ

ワールド

トランプ氏、公共放送・ラジオ資金削減へ大統領令 偏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 6
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 7
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 8
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 9
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中