テロリストが旅客機を遠隔ハイジャックする日
きっかけは、同省のサイバー専門家がボーイング757型機の電子機器をハッキングする実験に成功したことだった。
同省科学技術部門で航空プログラム責任者を務めるロバート・ヒッキーは、この実験の多くの部分がまだ機密扱いだとしつつも、遠からずハッキングの方法論を確立できるだろうとの見通しを示している。「誰の手助けも得ず、機外から2日間で(旅客機のシステムへの)侵入に成功した」。具体的には、高周波通信を通じてハッキングを行ったとのことだ。
ボーイング社は、「(ヒッキーの実験で)旅客機の航行制御システムはハッキングされていない」と強調している。しかし、テロリストが機外から航空機をハイジャックできる可能性を明らかにした実験結果は、極めて衝撃的だ。
「今日の世界では地球上を飛び交うデジタルデータが増えるばかりだ」と、サンタマータは14年の報告書で記している。「通信回線を制御する者が強大な力を握ることは間違いない。通信回線を混乱させたり、通信の内容を調べたり、修正したり、通信のルートを変更したりできる者は......通信監視やサイバー攻撃を行うことが可能だ」
サンタマータは、報告書の中でこうも述べている。「ことセキュリティーに関しては、安全だろう、と感覚に頼ることはもう許されない」
<本誌2018年7月3日号掲載>

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