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習近平「貿易戦争に勝者なし、一国主義に断固対抗」 BRICs首脳会議開幕

2018年7月26日(木)09時14分

7月25日、南アフリカで始まった新興5カ国(BRICS)首脳会議に出席している中国の習近平国家主席は25日、世界的な貿易戦争に勝者はいないとの考えを示し、一国主義に対抗するよう呼び掛けた。ヨハネスブルグで撮影(2018年 ロイター/Mike Hutchings)

南アフリカで始まった新興5カ国(BRICS)首脳会議に出席している中国の習近平国家主席は25日、世界的な貿易戦争に勝者はいないとの考えを示し、一国主義に対抗するよう呼び掛けた。

3日間の日程で始まった今回のBRICS首脳会議は、トランプ米政権が現在の多国間貿易は不公正として再均衡化に向けた動きを開始してから初の会議となる。

習主席は首脳会議の開幕式で「一国主義に断固として対抗する必要がある」とし、「世界的な貿易戦争に勝者はいないため、こうした戦争は回避しなくてはならない」と指摘。「一国主義と保護主義が台頭しており、多国間主義は大きな痛手を受けている。中国は門戸を大きく開放し、発展し続ける」と述べた。

そのうえで、新興国市場と途上国の集団的な台頭は「止めることができない動きで、これにより世界的な発展がより均衡のとれたものとなる」と述べ、BRICS各国政府に対し国の規模にかかわらず国際ルールを順守するよう呼び掛けた。

南アフリカのラマポーザ大統領は、今回の会議では持続的な開発と包括的な成長を促進に貿易が果たせる役割について踏み込んで協議したいと表明。「今回の会議は、多国間貿易システムがいまだかつてない課題にさらされるなかで開かれる。世界貿易機関(WTO)規則と整合性のとれない一方的な措置、および、こうした措置が及ぼす影響について懸念している」と述べた。

BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国で構成。今回の首脳会議には19カ国のアフリカ諸国を含む22カ国の首脳が招待されている。

[ヨハネスブルク 25日 ロイター]


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