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韓国社会

デッドプールからセウォル号遺族までディスる韓国ネットの闇「イルベ」とは

2018年6月15日(金)20時30分
杉本あずみ(映画配給コーディネーター)

ハンストする遺族の前でチキンを......

笑い事では済まされない事態となった今回の事件だが、イルベたちはセウォル号の遺族を挑発するパフォーマンスをこれまでにも行っている。遺族がデモでハンストした際にも、「目の前でチキンを美味しそうに食べたらどうだろう」という書き込みがきっかけで、本当にチキンを食べるパフォーマンスをして批判された。遺族もイルベたちに応えるように皮肉を込めて「イルベの為の食卓」というテーブルをわざと準備し話題となった。また、最近では「セウォル号の沈没直前に船内で被害者たちは性行為を行った」という犠牲者たちを侮辱する内容を書き込んだ者まで現れた。このイルベ会員は捕まり、懲役1年の判決を受けている。

セウォル号の犠牲者や遺族を笑いの対象として、一体誰が笑うのであろう。ウケ狙いはこれからも決してあってはならないし、それがいくらネット上でも許されない事だ。だが、一方でこういったことは韓国社会に特有の「喉元過ぎれば熱さを忘れる」式のことなのかもしれない。2014年4月にセウォル号の事故が起きたとき、その4か月後にソウルの映画館で「海にかかる霧」という映画を見ていて、船が海に沈没するシーンが出てきて驚いた。もしも日本で同じ事故が起こったとしたら、少なくとも半年以上は船が沈没するシーンのある映画の放送や公開を自粛するだろう。実際、東日本大震災後、津波のシーンがある映画は自粛されていた。

切り替えが早いのはある意味で韓国人の良い部分ではあるが、当事者や遺族が決して忘れる事ができない気持ちということも考えるべきではないだろうか。

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