最新記事

航空機事故

消えたマレーシア航空370便の機長は乗客もろとも「入水」した──豪TV 

2018年5月15日(火)17時20分
クリスティナ・チャオ

MH370便の乗員乗客の無事を祈るメッセージ(クアラルンプール国際空港) Samsul Said- REUTERS

<航空史上最大の謎となったMH370便の失踪事件。このたび謎を解明した、という専門家によれば、これは機長が乗員乗客を道連れに心中した大量殺人事件だという>

2014年3月8日に消息を絶ったマレーシア航空MH370便について調査を行ってきた航空専門家たちはこのほど、機長が「レーダーに探知されるのを故意に回避」し、238人の乗客乗員を道連れに心中したと述べた。大量殺人だ。

マレーシアのクアラルンプールから中国の北京に向かっていたボーイング777型機が忽然と姿を消した事件は世界中を困惑させた。大がかりな捜索もほとんど無に帰していたのだが、専門家グループは今、機上で何が起こったのかを解明したという。

2年間に及ぶ調査の指揮を執ったマーティン・ドーランを含む専門家5人は、オーストラリアのテレビ番組「60ミニッツ」に出演。機長のザハリ・アフマド・シャーは無理心中を計画し、予定通りに事が運ぶようすべてを考えつくしていた、と言った。

オーストラリア運輸安全局主導による史上最大規模の海底捜索は、失踪から3年近くが過ぎた2017年1月に打ち切られた。ドーランは番組で、「(事件は)時間をかけて計画されたもので、故意だった」と述べた。

客室を減圧して殺したか

「機長は自殺しようとしていた。しかも不幸なことに、乗客全員を道連れにした。計画的だった」と、カナダ人の航空事故調査官ラリー・ヴァンスは言った。「機長が客室を減圧し、乗客全員を窒息死させていたとしても驚かない」

ボーイング777型機のパイロット兼インストラクターであるサイモン・ハーディは、双方向のスクリーン上で、軍用レーダーのデータをもとに、MH370便のルートを再現した。ハーディによれば、機長はマレーシアとタイの国境沿いをジグザグに、両国から探知されないよう飛行したという。

「それがうまくいった。実際、戦闘機がスクランブルをかけた事実もない」とハーディは述べる。出演していたほかの専門家2名も、「制御不能で墜落した」とする豪運輸安全局の見解を否定した。そして、機長は当局が考えるより約185キロ以上も長く飛行したと語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国のレアアース等の輸出管理措置、現時点で特段の変

ワールド

欧州投資銀、豪政府と重要原材料分野で協力へ

ワールド

新たな米ロ首脳会談、「準備整えば早期開催」を期待=

ビジネス

米政権のコーヒー関税免除、国内輸入業者に恩恵もブラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 8
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中