最新記事

セキュリティ

フェイスブックCEO、個人情報悪用問題で謝罪「悪用防止で対処不十分」

2018年4月10日(火)08時25分

4月9日、米フェイスブックのザッカーバーグCEOは10─11日に開かれる上下院委員会の公聴会で証言し、個人情報の悪用防止で十分な対策を怠っていたことを認め、謝罪する(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

米フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は10─11日に開かれる上下院委員会の公聴会で証言し、個人情報の悪用防止で十分な対策を怠っていたことを認め、謝罪する。

9日公表された証言原稿から明らかになった。

ザッカーバーグCEOは下院エネルギー・商業委員会の公聴会向けの証言原稿で「フェイスブックの担う責任を大局的に捉えていなかったことは大きな過ちだった」とし、「これは自分のミスであり、謝罪する。自分がフェイスブックを立ち上げ、経営しており、今回のことは自分に責任がある」と述べた。

9日には議会を訪れ、民主党幹部らと会談している。一部幹部との協議前後、記者団の質問に答えなかった。

今週の証言で満足できる回答が得られない場合、フェイスブックを厳格に規制する新たな法案を推進する公算が大きくなる。

カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、政権が新たな規制をかける必要があるかとの問題で、コメントを控えた。

ザッカーバーグCEOは「フェイスブックのツールが悪用されることを防止する対策が十分でなかったことは明白」とし、「これはフェイク(偽)ニュース、他国による選挙への関与、ヘイトスピーチ、さらにデータプライバシーという問題すべてに及ぶ」と語った。

フェイスブックを巡っては、2016年の米大統領選でトランプ陣営が利用していた英データ会社ケンブリッジ・アナリティカ(CA)がフェイスブック利用者最大8700万人の個人情報を不正に利用していたことが明るみに出ている。

ザッカーバーグCEOは、セキュリティ面での大型投資が「今後、収益性に著しい影響を及ぼす」と述べた。

フェイスブックではセキュリティーやコンテンツ審査に約1万5000人が従事し、年末までに2万人強に増えると見通した。「社会を守ることは、利益最大化より重要」とした。

フェイスブックによるロシア関与の発見と対処が遅過ぎたことを認め、状況の改善に努めるとした。改善に時間はかかるとしつつも「状況を正すことにコミットしている」と言明した。

[ワシントン 9日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 コメ高騰の真犯人
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月24日号(6月17日発売)は「コメ高騰の真犯人」特集。なぜコメの価格は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7、ロシアに圧力強化必要 中東衝突は交渉で解決を

ビジネス

ユーロ高大きく懸念せず、インフレ下振れリスク限定的

ワールド

米ミネソタ州議員銃撃、容疑者逮捕 標的リストに知事

ビジネス

再送(11日配信記事)豪カンタス、LCCのジェット
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中