最新記事

テクノロジー

EV時代到来、素材の覇権をかけ鉄とアルミが激突

2018年4月4日(水)17時45分

テスラからコメントは得られなかったが、同社が米証券取引委員会に先月提出した書類によれば、「モデル3」の設計について、「軽量かつ安全である一方で、大衆車としてコスト効率を改善するために、複数の素材をミックスしている」と説明している。

アルミニウムではなく鉄鋼を選択した他の大衆市場向けEVとしては、世界で最も販売台数の多い日産自動車<7201.T>のEV「リーフ」、それにフォルクスワーゲンの「eゴルフ」がある。

「eゴルフ」はアルミニウムを129キロ、「リーフ」も171キロ使っているのに対し、テスラの高級車「モデルS」は661キロ使用している、とA2Mac1オートモーティブ・ベンチマーキングは指摘する。テスラ「モデル3」については詳細な比率は分からなかった。

画期的な変化

とはいえ、「EV革命」によりアルミニウム産業が強い追い風を享受するという見込みに変化はない。特にハイブリッド車の場合、2つのエンジンを必要とするだけに恩恵は大きい。

内燃式ガソリンエンジン部分とトランスミッションは通常どちらもアルミニウムで作られており、EVにおけるバッテリーの格納容器とモーターにもアルミが使われることが多いと、独アルマグの自動車用金属専門家は語る。

また、一つには充電ステーション網が未整備であるため、純粋なEVが幅広く普及するまでにはまだ何年かかかると見込まれることから、その間は、ハイブリッド車の成長がアルミニウム産業に恩恵をもたらすと期待されている。

CRUコンサルティングのエオイン・ディンズモア氏は、EV・ハイブリッド車によるアルミニウム需要は、2030年までに10倍に膨らみ、1000万トン近くに達すると予想する。

ロンドン名物の黒塗りタクシーにも昨年初めてEVが導入されたが、これにもアルミニウムが用いられており、ノルウェーのアルミニウム製造企業ノルスク・ハイドロが英ウェールズに保有するアルミニウム製造工場の操業再開につながった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン製無人機への防衛で米などが支援要請=ゼレンス

ワールド

イラン、米国へのメッセージ巡るアクシオス報道を否定

ワールド

ホワイトハウス「スペインが米軍との協力に同意」、ス

ビジネス

米2月ISM非製造業指数、56.1に上昇 3年半ぶ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 7
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 8
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 9
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 10
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中