最新記事

五輪

不祥事でも揺るがぬIOCの五輪ビジネス 開催地もスポンサーもアジアがけん引

2018年2月21日(水)10時00分

2月19日、もし国際オリンピック委員会(IOC)が上場企業だったなら、相次ぐ手痛いニュースに飲みこまれて、上場維持が困難になっていたかもしれない。写真は韓国の江陵市で3日、五輪を前に記念撮影をする人 (2018年 ロイター/Kim Hong-Ji)

長期化するロシアのドーピング問題に、汚職疑惑。そして五輪招致に及び腰になる世界の大都市──。

もし国際オリンピック委員会(IOC)が上場企業だったなら、相次ぐ手痛いニュースに飲みこまれて、上場維持が困難になっていたかもしれない。

だが、IOCは財務的にかつてないほど良好な状態にある。これは、アジアでのスポンサーや政府、主要都市やファンの支援拡大によるところが大きい。

IOCの主要な収入源である放映権料収入は記録を更新しており、2016年のリオデジャネイロ五輪では、2012年のロンドン大会から12%増の28億7000万ドル(約3000億円)に達した。2020年の東京大会では、再び記録を更新することが確実だ。

2013─16年のIOC収入の5分の1を占めていた、最高位の企業スポンサーからのスポンサー料は、2014年ソチ冬季五輪と2016年のリオ大会の間に初めて10億ドルを突破した。ソチとリオの両大会は、五輪の中でも最も困難な大会だった。

総費用約500億ドルのソチ大会は、「使いすぎ五輪」の象徴であるだけでなく、今やロシアの組織的ドーピング疑惑の同義語となってしまった。リオ大会は、チケット転売での利ザヤ稼ぎや、五輪幹部を巡る汚職捜査で打撃を受けた。

だが、五輪ブランドを頼みにしている大会幹部たちは、平昌冬季大会での取材に対し、スキャンダルで悩んではいないと話した。選手は問題行動を起こせばたちどころにスポンサーを失う可能性があるが、五輪ブランドは「回復が早い」と、話す幹部もいた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金正恩氏が列車で北京へ出発、3日に式典出席 韓国メ

ワールド

欧州委員長搭乗機でGPS使えず、ロシアの電波妨害か

ワールド

ガザ市で一段と戦車進める、イスラエル軍 空爆や砲撃

ワールド

ウクライナ元国会議長殺害、ロシアが関与と警察長官 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 2
    世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあるがなくさないでほしい
  • 3
    映画『K-POPガールズ! デーモン・ハンターズ』が世界的ヒット その背景にあるものは?
  • 4
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 5
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 6
    BAT新型加熱式たばこ「glo Hilo」シリーズ全国展開へ…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    就寝中に体の上を這い回る「危険生物」に気付いた女…
  • 9
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 10
    シャーロット王女とルイ王子の「きょうだい愛」の瞬…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 3
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 8
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中