最新記事

動物

パンダのうんちから作られた高級ティッシュはいかが?

2017年12月21日(木)16時30分
クリスティーナ・チャオ

中国四川省ではジャイアントパンダの繁殖研究が活発 China Daily-REUTERS

<大量のうんちと残飯に悩まされたパンダ保護センターの救世主となるか>

中国で、パンダのうんちをリサイクルして作る贅沢なティッシュペーパーが発売される。ちょっと変わったこの製品は、その名も「パンダ・プー(うんちの意)」。一般的なティッシュの10倍の価格、1箱6.54ドル(約740円)で売り出される。

四川省にあるティッシュ製造会社の犍為鳳生紙業と中国南西部のパンダ保護区は12月18日、保護区内の3カ所の活動拠点から糞便と残飯を回収しリサイクルすることで契約を交わした。

同社は、3~7日おきに原材料となる糞便と残飯を回収し、そこから「パンダ・プー」を製造する。

中国ジャイアントパンダ保護・研究センター(CCRCGP)の研究員フアン・ヤンは中国地方紙の成都ビジネスデイリーに、パンダたちの糞便の量は1日に22ポンド(約10キロ)にもなり、その処理にかなりの時間を費やすと語った。

また、1日で出す残飯は約110ポンド(約50キロ)。パンダは食事後に大量の竹を吐き出すためだ。

ヤンは「同社は私たちのためにゴミの始末をしてくれている」と語る。「糞便をティッシュに加工することは、我々にとって廃棄物処理の完璧な解決策だ」

このほか、トイレットペーパー、ハンカチ、紙ナプキンなどの生産も予定している。

同社のチュウ・チュアンピン副社長は「糞便から筆記用紙は作らない。安全性を確保するために、市場に出る前に製品のバクテリア検査を実施する」と語っている。

チュウは、パンダの糞便から作ったティッシュで自分の顔を拭くのが心配な人たちの懸念に対応するため、製品の安全性を確認する多くのプロセスがあると指摘する。ティッシュは洗浄された後、高温で滅菌される。生産コストが高くつくために商品価格が高いのは仕方がない、と言う。

同社のヤン・チャオリン会長は「当社とパンダはウィンウィンな関係」と話している。


ニューズウィーク日本版のおすすめ記事をLINEでチェック!

linecampaign.png

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

独製造業PMI、10月改定49.6 生産減速

ワールド

高市首相との会談「普通のこと」、台湾代表 中国批判

ワールド

米韓制服組トップ、地域安保「複雑で不安定」 米長官

ワールド

マレーシア首相、1.42億ドルの磁石工場でレアアー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中