最新記事

ブレグジット

EU首脳、ブレグジット交渉「第2ステージ入り」正式承認

2017年12月16日(土)14時22分

12月15日、EU首脳は、英国のブレグジットを巡る交渉について、移行期間や将来の通商関係を協議する「第2段階」に入ることを正式に承認した。写真は12月8日、ロンドンで撮影された英国とEUの旗(2017年 ロイター/Toby Melville)

欧州連合(EU)首脳は15日、英国のEU離脱(ブレグジット)を巡る交渉について、移行期間や将来の通商関係を協議する「第2段階」に入ることを正式に承認した。

首脳会議の議長であるトゥスクEU大統領は「EU首脳はブレグジット交渉の第2段階入りで合意」とツイート。「おめでとうテリーザ(・メイ英)首相」とも付け加えた。

メイ英首相はイングランド南部のバークシャーにある自宅の外で「昨年6月の国民投票で決まった円滑な秩序あるEU離脱に向け、重要な一歩となる」と強調。離脱は2019年3月29日になると付け加えた。

ただ、通商関係の交渉に関してはEU首脳らは厳しいものになると予想している。協議は早くとも来年3月以降となる。

ドイツのメルケル首相は「第2段階が始められるのは大きな進展だ」としながらも「これまでの交渉より厳しい作業が待っている」と述べた。

英ポンドは一時、対ドルで上昇したものの、この日は0.8%下落し1ポンド=1.3327ドルだった。

オーストリアのケルン首相は英アイルランド国境の扱いについて、境界を設けずに「英国が単一市場から離脱するというのはあり得ない。小学生でも不可解だと分かる」と釘を刺した。

EU首脳らは英国がEUを離脱して「第3国」になってはじめて自由貿易協定を結べるとの見解を改めて示した。

メイ首相も6月の総選挙で自身が率いる保守党が過半数割れし、求心力が弱まった中での第1段階の交渉だった。

今後は英国の離脱後のあり方について、閣僚間の溝がむき出しになる場面が多くなるとみられる。

伝統的に英国と親密な関係を続けてきたオランダのルッテ首相は「英国の金融部門はEU離脱によってかなり不利な立場に置かれる」と指摘。離脱によって失われる利益をメイ首相は有権者に説明する責任があると述べた。

[ブリュッセル 15日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インタビュー:業界再編主導へ、「どう統合起こすか常

ビジネス

バフェット氏、傘下鉄道会社BNSFによるCSX買収

ワールド

トランプ米大統領、シカゴに部隊派遣の可能性否定せず

ワールド

トランプ氏、韓国大統領と会談 金正恩氏と年内会談望
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 2
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」の正体...医師が回答した「人獣共通感染症」とは
  • 3
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密着させ...」 女性客が投稿した写真に批判殺到
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 6
    顔面が「異様な突起」に覆われたリス...「触手の生え…
  • 7
    アメリカの農地に「中国のソーラーパネルは要らない…
  • 8
    【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく…
  • 9
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 6
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 7
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中