最新記事

中東

レバノンのアウン大統領、サウジがハリリ首相拘束と批判

2017年11月16日(木)12時34分

 11月15日、レバノンのアウン大統領(写真左)は、辞任を表明したハリリ首相(同右)について、サウジアラビアに拘束されているとの見解を示した。写真はベイルートで昨年10月撮影(2017年 ロイター/Mohamed Azakir)

レバノンのアウン大統領は15日、辞任を表明したハリリ首相について、サウジアラビアに拘束されているとの見解を示した。

大統領は、ハリリ首相の不在を正当化する理由はなく、このため拘束されていると判断したと説明。また、首相の家族がサウジで自宅軟禁状態にあることを確認したと述べた。

レバノンのバシル外相は、状況は「正常ではない」とした上で、同国政府はサウジとの「良好な関係」を望むと述べた。

一方、ハリリ氏が率いる政党「未来運動」の議員は、ハリリ氏が15日、自身および家族は拘束されていないと語ったとロイターに明らかにした。

サウジはハリリ氏の支持国家とみられてきた。一方アウン大統領はレバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」との政治的つながりを持つ。サウジはヒズボラを「テロ組織」とみている。

ハリリ首相は今月4日に滞在先のサウジで辞任を表明。首相に近いレバノン当局者はロイターに対し、首相が辞任を強制されたと述べている。

ハリリ氏とサウジはいずれも、サウジの同氏拘束または辞任強要を否定している。ハリリ氏は、向こう数日以内にレバノンに戻り、正式に辞表を提出するとしている。

一方、フランスのマクロン大統領は声明で、ハリリ氏とサウジのムハンマド皇太子と会談した後、同氏をフランスに招いたと明らかにした。招待は数日間のもので、政治亡命の目的ではないと説明した。

仏外交筋によると、ルドリアン仏外相は15日夜にサウジの首都リヤドに到着し、ムハンマド皇太子とレバノン情勢を協議する予定。16日にはハリリ氏と面会するという。

[ベイルート 15日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏銀行、資金調達の市場依存が危機時にリスク=

ビジネス

欧州の銀行、前例のないリスクに備えを ECB警告

ビジネス

ブラジル、仮想通貨の国際決済に課税検討=関係筋

ビジネス

投資家がリスク選好強める、現金は「売りシグナル」点
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 3
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 10
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中