最新記事

スペイン

プチデモン、州議会選実施受け入れ スペイン高等裁は出廷要請

2017年11月1日(水)09時10分

10月31日、スペイン・カタルーニャ自治州の首相を解任されたプチデモン氏(写真)は、ベルギーのブリュッセルで会見を開き、中央政府による12月21日の州議会選挙実施を受け入れると表明した。ブリュッセルで撮影(2017年 ロイター/Yves Herman)

スペイン・カタルーニャ自治州の首相を解任されたプチデモン氏は31日、ブリュッセルで会見を開き、中央政府による12月21日の州議会選挙実施を受け入れると表明した。ただ、独立に向けた戦いは続くと強調した。

一方、スペインの高等裁判所は、プチデモン氏のほか州幹部13人に対し、証言のため11月2日と3日に出廷するよう求めた。プチデモン氏や他の州幹部に対する国家反逆罪や扇動罪の公判手続きを始めたことも明らかにした。

プチデモン氏はカタルーニャ州議会による独立宣言後、ブリュッセルに渡っており、出廷要請に応じるかどうかは不透明だ。

ベルガ通信によると、ベルギー当局はプチデモン氏の滞在中、同氏に保護を提供する必要があるかどうか検討しているという。

プチデモン氏はこれより先に行った会見で、ベルギーへの亡命は求めていないと言明。中央政府の「保証」が得られればカタルーニャに戻るとしていた。

スペインの憲法裁判所は31日、州の独立宣言の無効を言い渡した。

独立賛成派の指導部が混乱するなか、今週に入り、中央政府による直接統治への目ぼしい抗議活動は起きていない。

ただ、31日に公表された世論調査では、独立への支持が約3年ぶりの水準に高まったことが示された。10月16─29日に実施されたカタルーニャ州の公式世論調査によると、独立を支持する住民は48.7%と、6月時点の41.1%から上昇し、2014年12月以来の高水準となった。

プチデモン氏は会見で「カタルーニャの人々へ、長い道のりに備えるよう求める。民主主義がわれわれの勝利の基礎となるだろう」と訴えた。

中央政府は12月の選挙へのプチデモン氏の出馬を歓迎する意向を示している。ラホイ首相は、選挙で独立反対派の党が過半数を獲得し、独立への動きに歯止めをかけることを期待している。

一方、プチデモン氏は賛成派の勝利で独立への機運が再び高まることを願う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23

ワールド

トランプ氏の核施設破壊発言、「レッドライン越え」=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中