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米当局が個人監視対象を拡大 「国内出身の暴力的過激主義者」追加

2017年10月30日(月)17時20分

1981年に当時のロナルド・レーガン大統領が署名し、その後ジョージ・W・ブッシュ大統領が修正した大統領令12333号は、CIAなどの米情報機関が外国人に対する頂上目的での調査を行うことができると定めている。この大統領令は同時に、防諜活動と定義される場合など、一定の事例において米国市民に対する監視を認めている。

国防総省の従来のマニュアル(1982年発行)における防諜活動の定義によれば、連邦政府は、監視対象が外国勢力又はテロ組織の目標に利するように働いていることを立証することを求められていた。

今回の定義の拡張が連邦政府による情報収集活動にどのような現実的影響を与えるかは明確ではない。空軍の研修用スライドの1枚には、解釈の見直しは複数の「重要な変化」の1つであると記載されている。

闇に紛れて

国家安全保障の元担当者は、一般論として、当局者が使える防諜用ツールを充実させることを支持するとしつつ、今回の変更は小幅な修正のようであり、情報収集活動に大きな影響を与える可能性は低いと語った。

だが、プライバシーや市民の自由擁護を訴える活動家の一部は、この研修用スライドを見て、この変更は警戒を要すると述べている。これにより、十分な監督のないまま、大統領令に基づいて監視される米国市民の数が増大する可能性があるというのだ。

この研修用スライドを最初に入手したヒューマン・ライツ・ウォッチで監視問題に取り組むサラ・セントビンセント氏は、「大統領令12333号に基づく活動は、闇に紛れて進められる」と述べる。

「米国民や外国人に対して影響を与えかねないプログラムは膨大にあり、(今回入手できた文書がなければ)私たちはこうした変更について何も知らないままだっただろう」と彼女は言う。

連邦法として70年前に採択された国家安全保障法では、重要な諜報活動については常に連邦議会に報告しなければならないと定めている。ただ同法では、「重要な諜報活動」の解釈を行政府に委ねている。

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