最新記事

アメリカ社会

トランプ大統領、医療用鎮痛剤オピオイドまん延で来週に非常事態宣言

2017年10月26日(木)16時40分

10月25日、トランプ米大統領は25日、医療用鎮痛剤「オピオイド」のまん延問題で来週、非常事態を宣言すると明らかにした。写真はオピオイドを過剰摂取した男性を手当てする救急隊員ら。マサチューセッツ州 で8月撮影(2017年 ロイター/Brian Snyder)

トランプ米大統領は25日、医療用鎮痛剤「オピオイド」の乱用問題で来週、非常事態を宣言すると明らかにした。これにより、州政府はオピオイド問題の解決にあたり、連邦政府の財源にアクセスできるようになる。

米国では、オピオイド系鎮痛剤の乱用による死者が急増しており、2015年には約3万3000人が命を落としている。

トランプ大統領は、「オピオイドの問題は重大な緊急事態だ。来週、非常事態を宣言する」とフォックス・ビジネス・ネットワークに語った。

非常事態宣言に先立ち、大統領はオピオイド問題への対応策を26日に公表する。

米国では、処方鎮痛薬であるオピオイドのほか、ヘロインや、モルヒネの50─100倍強力だとされるフェンタニルを中心とする薬物によって薬物過剰摂取の問題が広がっている。

トランプ大統領が非常事態を宣言することで、連邦予算を使った支援策の策定や対策予算の計上がしやすくなり、患者側もさまざまな治療へのアクセスが容易になる。

一方、米食品医薬局(FDA)のゴットリーブ長官は25日、オピオイド中毒の患者に、より効果の弱い鎮痛剤のメサドンやブプレノルフィンを代替品として使用するよう推奨する方針を表明した。これは大きな政策転換であり、薬物摂取の停止以外に有効な治療はないと考える専門家からの反発を招く可能性もある。

ゴットリーブ長官は、米下院委員会に対し、過剰摂取に悩むオピオイド中毒患者に対し、長期間、または必要があれば生涯に渡り、より作用の弱い代替薬を与えて治療をする新方針を説明した。

同長官が引用したマサチューセッツ州のデータによると、中毒患者がメサドンやブプレノルフィンを使った治療を受けた場合、過剰摂取による死亡リスクが50%減少したという。

[ワシントン 25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


newsweek20171031.jpg【本誌10/31号】特集:役に立たない? 経済学
【FEATURES & ANALYSIS】 帰還兵を蝕むオピオイドの悪夢
 詳しくはこちら=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏がイラン治安部隊・指導者への攻撃検討、デ

ワールド

韓国産業相が29日に訪米、関税引き上げ巡り協議

ビジネス

独政府は構造改革推進必要、企業の破綻も甘受を=IW

ビジネス

午前の日経平均は反落、利益確定売り優勢 アドテスト
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大胆な犯行の一部始終を捉えた「衝撃映像」が話題に
  • 4
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 7
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 8
    人民解放軍を弱体化させてでも...習近平が軍幹部を立…
  • 9
    またTACOった...トランプのグリーンランド武力併合案…
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 9
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 10
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中