最新記事

法からのぞく日本社会

国民審査を受ける裁判官はどんな人物か(判断材料まとめ・中編)

2017年10月20日(金)17時29分
長嶺超輝(ライター)

3:「選任プロセスに不透明性」山口 厚

東大法卒・法学者出身・新潟県生まれ、東京都出身
就任:2017年2月6日/定年:2023年11月5日

《プロフィール》
刑法学者で、後に弁護士。有斐閣『六法全書』や『ポケット六法』の編集代表を務め、一般向け著書の『刑法入門』(岩波新書)が書店のベストセラーランキングにも名を連ねるなど、法律関連の業界内では著名な存在。

20歳で司法試験に一発合格。合格体験記で「ほんとうに、無我夢中のうちに合格したという感じなのである。あまり学説も知らないし、判例も知らない、私のような者でも、司法試験に合格することは可能なのである」と書き記し、謙遜している。

ただし、弁護士出身者が最高裁判事に登用される場合、通例であれば日本弁護士連合会の推薦リストから選ばれるものの、山口氏の場合はなぜか推薦外から内閣が任命したとみられ、その選考課程の不透明性に、日弁連だけでなく各方面から批判や疑念が投げかけられている。

《主な発言》
・2012年8月10日、朝日新聞朝刊。
「(法律学者の志願者が減っていることについて)量的には厳しい。しかし、法学固有の問題ではない。研究者の仕事を魅力的にするよう、国の支援を根本的に改めない限り難しい」

・2011年3月1日、『ジュリスト』「現代刑事法研究会 座談会」。
「(裁判員制度を踏まえて)裁判員の方々に分かりやすい刑法の立法を考えていくのかという問題も、あるいはあろうかと思います。個人的な意見としては、そうした立法はかなり困難ではないかなと思われますが」

・2002年11月27日、読売新聞朝刊。東京大学法科大学院の設立準備。
「法律相談クリニックを設け、法科大学院生には交渉術も学ばせたい。司法試験に失敗しないように、というより、法曹になった後に『あの人は立派な法律家だ』といわれる人を育てたい」

《主な関与判決》
・全国学力・学習状況調査で、地域の各学校の平均正答数や平均正答率などを不開示とした自治体の判断について、「開示すると学校間で過度の競争をあおりかねない」として、開示しないのを妥当とした二審判決を支持。

・オリンパスの従業員が、会社からの退職勧奨を拒否した報復で配置転換させられたのは不当だと争われた裁判で、「会社の配置転換命令に合理性はあった」として従業員敗訴とした二審判決を支持。

関連ワード

ニュース速報

ワールド

焦点:ハリス氏は「強敵」、トランプ氏が手こずりそう

ワールド

銀行システムの安定性、全く懸念していない=豪中銀総

ワールド

焦点:途絶えた観光収入、パンデミックが脅かすマサイ

ビジネス

中国不動産投資、1─7月は前年比+3.4%に伸び加

MAGAZINE

特集:人生を変えた55冊

2020-8・11号(8/ 4発売)

コロナ自粛の夏休みは読書で自分を高めるチャンス──世界と日本の著名人が教える「価値観を揺さぶられた本

※次号は8/18(火)発売となります。

人気ランキング

  • 1

    マオリ語で「陰毛」という名のビール、醸造会社が謝罪 

  • 2

    「元徴用工」の主張に違和感を感じる人たち

  • 3

    バイデン陣営はこれで「ターボ全開」? 副大統領候補ハリス指名の意味

  • 4

    韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪…

  • 5

    「韓国・文在寅の最低賃金引き上げは失策」説を信じるな…

  • 6

    李登輝前総統の逝去報道──日韓の温度差

  • 7

    日本初のアフリカ人学長が「価値観」を揺さぶられた5…

  • 8

    新型コロナワクチンが開発されても、米国の3人に1人…

  • 9

    ベトナム、日本には強硬だが、中国には黙る韓国政府…

  • 10

    韓国・文在寅の支持率9カ月ぶりの低水準に ソウル住…

  • 1

    ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死

  • 2

    中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?

  • 3

    トランプTikTok禁止令とTikTokの正体

  • 4

    韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪…

  • 5

    李登輝前総統の逝去報道──日韓の温度差

  • 6

    バイデン陣営はこれで「ターボ全開」? 副大統領候…

  • 7

    『レオン』が描いた少女の性と「男性目線」

  • 8

    陽性者急増、名古屋の医師が懸念する「市中感染」の…

  • 9

    アメリカ北東部でコロナ感染が沈静化しているのはな…

  • 10

    「元徴用工」の主張に違和感を感じる人たち

  • 1

    コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず

  • 2

    中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?

  • 3

    中国から米国に「謎の種」が送りつけられている......当局は「植えないで」と呼びかけ

  • 4

    韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット …

  • 5

    ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死

  • 6

    宇宙観測史上、最も近くで撮影された「驚異の」太陽…

  • 7

    アメリカが遂に日本政界の媚中派を名指し批判──二階…

  • 8

    戦略性を失った習近平「四面楚歌」外交の末路

  • 9

    中国のスーパースプレッダー、エレベーターに一度乗…

  • 10

    【独占】押谷仁教授が語る、PCR検査の有用性とリスク…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月