最新記事

せキュリティ

カスペルスキー「NSAのハッキングコードは米国の個人用PCから取得」

2017年10月26日(木)16時44分

10月25日、ロシアの情報セキュリティー会社カスペルスキー研究所は、同社のセキュリティーソフトが、米国の個人用パソコンからハッキングツールのソースコードを2014年に得ていたと明らかにした。写真はインタビューに答えるカスペルスキー氏。ニューヨークで2015年3月撮影(2017年 ロイター/Shannon Stapleton)

ロシアの情報セキュリティー会社カスペルスキー研究所は25日、同社のセキュリティーソフトが、米国の個人用パソコンからハッキングツールのソースコードを2014年に得ていたと明らかにした。

米当局者は9月、カスペルスキーがロシア政府の影響を受けやすく、同社のウイルス対策ソフトを使用することが国家安全保障を危険にさらす可能性に懸念を示し、同社製品を米政府機関のコンピューターから撤去するよう命じた。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は10月5日、ロシア政府に関係のあるハッカーが2015年にカスペルスキーのソフトを使い、米国家安全保障局(NSA)職員を狙って機密文書を探していたとみられると報道。ニューヨーク・タイムズは10月10日、イスラエル当局者がこの行動について米国に伝えていたと報じた。

ロシア政府は関与を否定している。

カスペルスキーは信頼回復のため内部調査を開始。25日の発表によると、消費者向けの同社ソフトが2014年、米国のコンピューターで悪意のあるファイルを検知した際に、ソースコードを発見した。

カスペルスキーのアナリストがファイルを調べたところ、「イクエーション・グループ」のソースコードを含んでいることが分かったという。ロイターは過去に、NSA元職員が「イクエーション・グループ」はNSAのプロジェクトであると述べたと報じている。

カスペルスキーによると、同ファイルは削除され、アナリストはこの件についてユージン・カスペルスキー最高経営責任者(CEO)に報告。CEOはコードのコピーを破棄するよう指示した。

同社は、この件がメディアが報じたNSAのファイル損失と関連しているとの見方を示した。

カスペルスキーの広報担当は「このソースコードは保護技術の改善に必要とされず、また機密事項の処理を巡る懸念があることから、アーカイブを削除した」と述べた。

[サンフランシスコ 25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、プーチン氏と「2週間以内に」ハンガリー

ビジネス

世界経済は「底堅い」が、関税リスクを織り込む必要=

ワールド

G20財務相会議が閉幕、議長総括で戦争や貿易摩擦巡

ワールド

米ロ外相が近日中に協議へ、首脳会談の準備で=ロシア
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体は?
  • 4
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 5
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 8
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 9
    ホワイトカラーの62%が「ブルーカラーに転職」を検討…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中