最新記事

日本政治

小池百合子・希望の党代表「都政で頑張る」 衆院選出馬を否定

2017年9月28日(木)19時48分

9月28日、希望の党代表の小池百合子東京都知事は「都政でしっかりと頑張る」と述べ、10月22日投開票の次期衆院選に出馬するとの憶測を否定した(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

希望の党代表の小池百合子東京都知事は28日、日本記者クラブでの講演で「都政でしっかりと頑張る」と述べ、10月22日投開票の次期衆院選に出馬するとの憶測を否定した。

民進党が希望の党への合流方針を示したことは前原誠司代表の「大変重い決断」としながらも、「合流」ではないと述べ、希望の党から出馬を望む候補者を個別に選出していく考えを示した。

小池氏は、今後も都知事として都政に取り組む意向を表明し、「東京五輪の準備をしっかりやり、東京を引っ張っていく。これが日本全体にプラスになる」と、東京から日本全体を改革していく考えを示した。

民進党が次期衆院選での同党の公認内定を取り消し、立候補予定者は希望の党に公認を申請することなどを決めたことに関して「合流という考えではない」と述べ、「希望の党で戦いたいという申し込みがあって、初めて候補者として選ぶかどうかだ」と個別に判断していく考えを示した。

そのうえで、「有権者に選択肢を示すことが重要。選択肢がなけれ投票先がない」とし、「できるだけ多くの候補者を擁立していく」と語った。

衆院選の争点に浮上している2019年10月の消費税率の10%への引き上げを巡っては、安倍晋三首相が増収分を教育財源に活用するなど使途の変更を打ち出しているが、小池氏は北朝鮮情勢が緊迫化している状況下で「消費増税の使途で信を問うのはお門違い」と指摘。日本経済がデフレから脱却していない中で「ただ増税ということは消費を冷え込ませるだけ」と消費増税自体に否定的な考えを示した。

アベノミクスについては「株高・円安・失業率の低下などの効果は認めるが、まだまだ好景気の実感が得られていない」と指摘。財政再建では「借金も多いが、資産もある。国が保有する資産をもう少し整理するというのも一つの考え」との見解を示した。

憲法改正については、安倍首相が9条に自衛隊の存在を明記することを提案しているが、小池氏は9条にとらわれず、時代や世界情勢の変化を踏まえた幅広い議論の必要性を訴えた。

北朝鮮情勢では、米国と中国の間合いがどうなるかによって日本の戦略も変わってくるとし、「注視していきたい」と語った。

(伊藤純夫 編集:田中志保)

[東京 28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

電気・ガス補助金、来年1月に再開 ガソリンは段階縮

ワールド

豪就業者数、10月は7カ月ぶり小幅増 失業率4.1

ワールド

米上院共和党、院内総務にスーン氏 トランプ氏から一

ワールド

米民主党州の知事ら、トランプ氏政策に対抗する連盟結
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:またトラ
特集:またトラ
2024年11月19日号(11/12発売)

なぜドナルド・トランプは圧勝で再選したのか。世界と経済と戦争をどう変えるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 3
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企画案から瓜二つだった
  • 4
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 5
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 6
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 7
    中国の言う「台湾は中国」は本当か......世界が中国…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    トランプ再選を祝うロシアの国営テレビがなぜ?笑い…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    「歌声が聞こえない」...ライブを台無しにする絶叫ファンはK-POPの「掛け声」に学べ
  • 3
    ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に突っ込む瞬間映像...カスピ海で初の攻撃
  • 4
    「遮熱・断熱効果が10年持続」 窓ガラス用「次世代…
  • 5
    「トイレにヘビ!」家の便器から現れた侵入者、その…
  • 6
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 7
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 8
    後ろの女性がやたらと近い...投票の列に並ぶ男性を困…
  • 9
    海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「空母化」、米…
  • 10
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企…
  • 1
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 2
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 3
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 4
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 5
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 6
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 7
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
  • 10
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中