最新記事

核実験

北朝鮮が6回目、過去最大規模の核実験を実施 安保理開催へ調整

2017年9月3日(日)19時54分

9月3日、日本政府は、北朝鮮で観測された地震について、同国による6回目の核実験と断定した。地震の規模は過去最大。写真は都内で撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

日本政府は3日午後、北朝鮮で観測された地震について、同国による6回目の核実験と断定した。地震の規模は過去最大。気象庁は前回の核実験の10倍以上の規模と分析している。日本は米韓と連携し、国連安保理開催の調整に動き出した。

地震は午後零時29分に観測。菅義偉官房長官は記者会見で、「通常の波形とは異なる可能性のある地震波の観測と、これまでの情報を総合的に勘案した結果、北朝鮮が核実験を実施したものと判断される」と語った。

さらに、日米韓で国連安保理の開催に向け調整をしていることを明らかにした上で、「北朝鮮に対し、どのような圧力を強化していくことがもっとも効果があるのか、その観点から厳しい対応を真剣に検討していく。原油製品に関する取引規制も含め、さまざまなことが選択肢にある」と述べた。

河野太郎外相は、国家安全保障会議(NSC)後に記者団に対し、北朝鮮に対話の意思はないと発言。すべての選択肢があると強調した。

北朝鮮の核実験は6回目。米地質調査所によると、地震の規模を表すマグにチュードは6.3、日本の気象庁は6.1としている。気象庁によると、昨年9月に実施した前回の実験の最低10倍の規模の可能性があるという。

小野寺五典防衛相は記者団に「前回のマグニチュード5.3をかなり上回る大きな能力を持つことも考えられる」と述べた。

日本政府は北京大使館の外交ルートを通じて北朝鮮にただちに抗議し、最も強い言葉で非難した。さらに放射能物質の収集のため、集塵ポッドを積んだ航空自衛隊のT4戦闘機を離陸させた。

朝鮮中央通信は3日朝、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、核兵器の研究所を訪問したと報道。大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載する水爆を視察し、「部品はすべて国産だ。これで強力な核兵器を好きなだけ作ることができる」と述べたと伝えていた。

(山口貴也、久保信博 編集:田巻一彦)

[東京 3日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英サービスPMI、4月は50割れ 新規受注と雇用が

ワールド

独首相指名選挙、メルツ氏は造反で選出されず 連立に

ビジネス

仏サービスPMI、4月47.3に低下 新規受注減少

ビジネス

テスラ、4月英販売台数2年ぶり低水準 欧州で逆風
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗と思え...できる管理職は何と言われる?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    背を向け逃げる男性をホッキョクグマが猛追...北極圏…
  • 8
    分かり合えなかったあの兄を、一刻も早く持ち運べる…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 4
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 6
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中