最新記事

エネルギー

中国に世界最大級の電力会社誕生へ 合従連衡呼ぶか

2017年8月31日(木)09時01分

8月29日、中国政府は石炭最大手の神華集団と、大手国有電力会社の中国国電集団の合併を発表し、世界最大級の電力会社が誕生することになった。写真は上海で2015年3月撮影(2017年 ロイター/Aly Song)

中国政府は28日、石炭最大手の神華集団と、大手国有電力会社の中国国電集団の合併を発表し、世界最大級の電力会社が誕生することになった。ただ、中国の他の電力会社は、数カ月後に冬の到来を控えたこの時期に重要な石炭の供給源を失う上、強大なライバルの出現に直面する。

新会社は企業価値が2800億ドルで、発電能力は225ギガワット前後と、フランス電力公社EDFやイタリアのエネルを凌ぐ規模になる。

中国の電力会社の多くは神華集団から石炭を購入している。神華の昨年の石炭生産量は36億4000万トンと、中国全体の8%を占めた。比率は小さいが、2位の山西焦煤集団に比べれば2倍以上だ。

電力大手、華潤電力<0836.HK>の石炭買い付け担当者は「(神華が)冬用の供給をわが社に十分与えてくれるかどうか、非常に心配だ」と話す。

この人物によると、華潤と神華は来週、冬用の石炭購入の量や条件を交渉するが、「神華が冬の供給で中国国電集団を優先するのは間違いないだろう」。

中国政府はここ1年、スモッグ対策の一環として石炭採掘能力を強制的に削減したため、石炭価格は急上昇し、電力会社の利ざやが圧縮された。

価格上昇により石炭会社の利益は膨らみ、斜陽産業とされたこの業界が息を吹き返している。神華はことし上期、国有コモディティ企業として最も大きな利益を上げた。

中国で合従連衡が進めば、石炭輸入が増えるためオーストラリアやロシアなどの石炭輸出国にとっては朗報かもしれない。

中国の電力会社は通常、石炭の調達源を分散しているため、長期的な影響は小さいとの声もある。しかしある大手電力会社筋によると、神華が中国国電以外への販売を絞るようなら、調達源を広げるだけの資金力を欠く内陸部の中小電力は「新たな供給元の確保に苦慮」するかもしれない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

モディ印首相、中国との「関係改善に尽力」 習主席と

ワールド

インドネシア大統領、訪中取りやめ 首都デモが各地に

ビジネス

中国製造業PMI、8月は5カ月連続縮小 内需さえず

ワールド

ロシア軍参謀総長、前線で攻勢主張 春以降に3500
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 5
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 6
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 9
    「体を動かすと頭が冴える」は気のせいじゃなかった⋯…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 10
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中