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イスラム教

コンピューターゲームがイスラム憎悪を拡散?

2017年8月9日(水)17時20分
コナー・ギャフィー

『パックマン』もやり玉に

『鉄拳タッグトーナメント2』にも批判が持ち上がった。『ギターヒーロー3』と同じく、キャラクターが格闘する場の床に、アッラーというアラビア語が記されていたためだ。開発元のバンダイナムコは、改訂版でその言葉を消去した。

以前は、『パックマン』もブラックリストに載っていたことがある。「ベールを被ったイスラム教徒女性を集めている」というのが理由だ(現在はリストから外れている)。

青年スポーツ省のユルマズは、イスラム教徒にとって安全なコンピューターゲームを独自に開発していく意向を表明している。既にリリースされている『ヌスラット』というゲームは、これまでに250万回以上ダウンロードされたという。

【参考記事】イランがズンバ(ZUMBA)を禁止--リズミカルな動きは非イスラム的

過剰反応とは言い切れない面もある。ゲーム業界に詳しい専門家たちによれば、アメリカなどのコンピューターゲームでは、実際に偏見がしばしば見られ、イスラム教徒が悪役として描かれているケースが多いという。

世界に15億人以上いるイスラム教徒の声は「ほとんど反映されていない」と、テクノロジーニュースサイトのベンチャービートは指摘している。ゲーム業界がイスラム教徒の声にもっと耳を傾ける必要があることは、少なくとも間違いなさそうだ。

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[2017年7月18日号掲載]

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