最新記事

南米

ベネズエラで軍が小規模な反乱 制憲議会は検事総長を解任

2017年8月7日(月)17時00分

8月6日、ベネズエラ当局は、同国バレンシア市近郊にある軍の基地で発生した小規模な反乱を鎮圧し、マドゥロ政権への「テロ攻撃」を企てたとして7人を拘束した。写真はベネズエラ北部バレンシアで催涙ガスを使う治安部隊(2017年 ロイター/Andres Martinez Casares)

ベネズエラ当局は6日、同国バレンシア市近郊にある軍の基地で発生した小規模な反乱を鎮圧し、マドゥロ政権への「テロ攻撃」を企てたとして7人を拘束した。

ソーシャルメディアには、4日の制憲議会発足に反対して「決起」した旨を軍服の集団が説明する動画が6日に投稿されている。

国防省の発表では反乱グループの一部は武器を携帯して基地から逃走し、治安部隊が徹底的に捜索しているという。

バレンシアの住民の話によると、反乱を支持する数百人の人々が街頭に繰り出した。そのほとんどは催涙ガスで追い払われたが、マドゥロ大統領の強権的な政治に対する国民の反発が広がっている様子が浮き彫りになった。

5日には、マドゥロ氏への批判を続けてきたルイサ・オルテガ検事総長を制憲議会が解任し、オルテガ氏に出廷を命令。制憲議会の権限が反政権勢力の締め出しに使われるのではないかとの懸念が現実化しつつある。

今後の政治情勢で鍵を握るのは軍部の動向とみられており、野党は軍首脳部に対してマドゥロ政権とたもとを分かつよう再三呼び掛けている。しかし、軍首脳部は政府への忠誠を維持。多くの軍関係者が政府との旨味のある契約や汚職、密輸などに関わっており、野党政権になって糾弾される事態を懸念し、マドゥロ氏が大統領の座にとどまることを望んていると指摘されている。

ただ、デモ鎮圧に実際に駆り出され、薄給に甘んじている軍の下級将校の間では、現状への不満が高まりつつある。

[バレンシア/カラカス 6日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英国王夫妻、トランプ米大統領夫妻をウィンザー城で出

ビジネス

三井住友FG、印イエス銀株の取得を完了 持分24.

ビジネス

ドイツ銀、2026年の金価格予想を4000ドルに引

ワールド

習国家主席のAPEC出席を協議へ、韓国外相が訪中
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中