最新記事

アマゾン

忍び寄るアマゾンの巨大な影 全米あらゆる企業が避けられぬ懸案に

2017年8月1日(火)16時16分

台所用スポンジからステンレスの歯の詰め物まで何でも作る米複合企業の3Mのカンファレンスでは、数人のアナリストがアマゾンに触れた。一方、ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の幹部は、アマゾンが同社の一般消費者向けブランド商品のリスクとなるのはどのような場合かと聞かれた。

ファストフード大手マクドナルドのスティーブ・イースターブルック最高経営責任者(CEO)は、ホールフーズ買収の影響についての質問に正面から答えることは控えた。ただ、「ビジネス界がいかに破壊的で、早いペースで動いているかを示している」と答えた。

トムソン・ロイターの2000年以降のデータによると、マクドナルドや3M,ジョンソン・エンド・ジョンソンの幹部が決算説明でアマゾン関連の質問を受けたのは、今回が初めてだった。

「(企業経営者は、アマゾンが)自分の業界に進出してくるかもしれないという単なるうわさを聞いただけでも脅威を感じている」と、オハイオ州トレドを拠点とする投資コンサルティング会社のアラン・ランス氏は指摘する。30年以上、投資業界に身を置く同氏は、

「いろんな業界をまたぎ、あちこちに進出している。こんな事態は記憶にない」という。

アマゾンを注視

アマゾンについての言及すべてが、懸念を示すものだったわけではない。同社とのパートナーシップ強化や協力関係の締結、同社のセールイベント「プライムデー」を通じた売り上げの増加、ホールフーズ買収による新たなビジネスの可能性などに言及する企業も多かった。

だが、タイヤサービス業モンロ・マフラー・ブレーキや水泳プール用設備のプール、給湯設備のAOスミスの決算説明会では、アナリストがアマゾンを懸念材料として挙げた。

「彼らは一大勢力だと考えている」と、空調設備卸ワッコのアルバード・ナーマド氏は、質問に答えて言った。「米経済は、今までこんなものを経験したことがない。アマゾンを注視していく」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米イーベイ、第4四半期利益見通しが市場予想下回る 

ワールド

成長率予想、25年度+0.7%に小幅引き上げ 見通

ワールド

シリア暫定大統領、サウジでのイベントで投資呼びかけ

ワールド

香港中銀が0.25%利下げ、FRBに追随
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨の夜の急展開に涙
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理…
  • 6
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 7
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 10
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中