最新記事

ミサイル実験

北朝鮮「核搭載可能なICBM実験」 米国は世界的な行動呼び掛け

2017年7月5日(水)13時26分

トランプ大統領は、4日のミサイル発射を受けて、ツイッターに、「韓国と日本は我慢の限界だろう」と投稿。「中国が北朝鮮に重大な動きをし、この馬鹿げたことをきっぱりと終わらせるだろう」と指摘した。

国連安保理は、米東部時間5日午後3時(日本時間6日午前4時)に緊急会合を開催し、北朝鮮問題を協議する。米国、日本、韓国の要請を受けた。

外交関係者は、中国がこれまでの安保理決議による制裁を完全に履行していないとみており、石油禁輸のほか北朝鮮航空会社の運行や労働者の受け入れ禁止、また銀行や企業による北朝鮮との取引停止などの措置を中国が拒んでいるとみている。

7─8日にドイツのハンブルクで開く20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)でも各国がこの問題を協議する見通しだ。また、トランプ米大統領はサミット期間中に中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領と会談する。

米本土の大部分が射程内か

北朝鮮は4日の午前9時39分ごろ、同国西岸から1発の弾道ミサイルを発射。午後3時半、ICBMの発射実験に成功したと発表。北朝鮮の国営メディアによると、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14号」の高度は2802キロに達し、39分間、933キロの距離を飛んだとしている。

日本政府によると、ミサイルは日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した。

飛行の詳細から、同ミサイルの射程距離は、米本土の大部分が射程内に入る8000キロ以上に及ぶとみられると、一部の専門家は指摘。北朝鮮の核兵器開発が大きく前進していることを示しているという。

米国に拠点を置くミサイル専門家で、同国の北朝鮮情報サイト「38ノース」に寄稿するジョン・シリング氏は、同ミサイル実験の実施は予想よりも早く、「予期していたよりも、はるかに大きな成功を収めている」との見方を示した。

同氏はまた、おそらくあと1、2年で、北朝鮮のICBMは「最小限の運用能力」を持つに至るだろうと指摘した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア西部2州で橋崩落、列車脱線し7人死亡 ウクラ

ビジネス

インフレ鈍化「救い」、先行きリスクも PCE巡りS

ワールド

韓国輸出、5月は前年比-1.3% 米中向けが大幅に

ワールド

米の鉄鋼関税引き上げ、EUが批判 「報復の用意」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    メーガン妃は「お辞儀」したのか?...シャーロット王…
  • 8
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 9
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 3
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 4
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 6
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中