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中国、南シナ海で新たな軍事シェルターとレーダー・通信施設を建設

2017年6月30日(金)14時09分

6月29日、米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)傘下のアジア海事透明性イニシアチブ(AMTI)は、中国が南シナ海で新たな軍事施設を建設したとことが衛星画像(写真)で明らかになったと発表した。写真はCSIS/AMTI DigitalGlobe提供。16日撮影(2017年 ロイター/Handout via REUTERS)

米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)傘下のアジア海事透明性イニシアチブ(AMTI)は29日、中国が南シナ海で新たな軍事施設を建設したとことが衛星画像で明らかになったと発表した。

画像では、スプラトリー(中国名・南沙)諸島のファイアリー・クロス(永暑)礁、ミスチーフ(美済)礁、スービ(渚碧)礁で、ミサイルを格納するシェルターとレーダー・通信施設が建設されているのが確認できるという。

AMTIによると、中国はファイアリー・クロス礁で既存の8つのミサイル・シェルターに加えて新たに4つのシェルターを建設。AMTIは以前、ミスチーフ礁、スービ礁にもそれぞれ8つのシェルターがあると明らかにしていた。

ロイターは2月、中国が3つの礁で長距離地対空ミサイルの格納庫を建設しており、近く建設が終了すると報じていた。

AMTIは、ミスチーフ礁では大型のアンテナ・アレイが設置されていると指摘。周辺監視能力を強化するとみられる。フィリピンが領有権を主張する地域に近いことから、同国にとって懸念となるとの見方を示した。

ファイアリー・クロス礁では大きなドームが最近建設され、また別のドームも建設中で、通信またはレーダーシステムとなる可能性があるという。ミスチーフ礁で新たに2つのドームが建設されている。

またAMTIは、ミスチーフ礁ではより小型のドームがミサイル・シェルター付近に設置され、「格納されるミサイルシステム向けのレーダーに接続される可能性がある」とした。

AMTIは「中国は、戦闘機や移動式ミサイル発射装置を含む軍事機材をスプラトリー諸島にいつでも配備できるようになった」と指摘した。

[ワシントン 29日 ロイター]


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