最新記事

ワークプレイス

「エゴを持たない」食材宅配サービスのスタートアップ

2017年5月26日(金)12時40分
WORKSIGHT

wsHellofresh170526-8.jpg

オープンに作られた執務スペース。

wsHellofresh170526-9.jpg

上層階は日当たりが悪く、ごちゃごちゃして見えるが、実は各部門の責任者が集まるフロア。役職の高い者ほど、自ら進んで環境の悪い場所を選ぶのがHelloFresh流。

ラーケン氏は言う。「HelloFreshのソフトウェア開発者のチームは、1年前は8名でしたが、現在では80名になりました。8名の頃はチーム全員が集まって議論することも容易でしたが、80名ともなると、そうはいきません。成長することはありがたいことですが、それによって戦略やマネジメントの面で問題が生じてきてしまいます。そこで我々のCTOが相談したのが、近くにあるZalando(ザランド。ベルリンに本社を置く、アパレルに特化したECサイトを運営する企業)のCTOです。ザランドも比較的新しい企業ではありますが、私たちの数年先を走っていますからね。社外との情報交換はベルリンでは一般的なことですよ」

あえて「完璧」を目指さないオフィス

そのような考え方は、オフィス選びにも表れている。現在のオフィスは創業から数えて5カ所目。同じビルにWooga(ウーガ。世界でも有名なモバイルゲーム企業)が同居しているなど、テック企業が数多く集まっている。入居当初はフロアの隅を借りていたが、現在ではHelloFreshのスペースはフロア全体にまで拡張された。

かつてはパン工場だったということもあり、天井の高さなどにその名残が見て取れる。「この雰囲気がかっこいいですよね」とラーケン氏は言う。「現在のオフィスは決して完成しているとは言えませんが、私たちとしては、完璧を求めないことを重視しています。ものすごいスピードで成長していますから、チームも頻繁に変わります。いつでもフレキシブルにレイアウトを変更できることのほうが大事です」

シリアスな雰囲気にしすぎないことも重要なのだそうだ。「オーガニックで居心地のいい空間を作ることを目指しています。そのために、自然の材料を用いること、スペースに遊びがあること、オープンで親しみやすい雰囲気を作ることが大切ですね」(ラーケン氏)

今後は、ビジネスを展開している全ての国において事業の習熟度を高め、個人のさまざまなニーズにも応えられるようにしたいというHelloFresh。ここベルリンを世界への発信基地に、「5年先にはさまざまな関連商品をオンラインで販売し、新鮮な食材を扱うブランドとしての地位を確立させたい」とラーケン氏は睨んでいる。

【参考記事】部門ごとの働きやすさを追求、社員を「全員主役」にするオフィス

創業:2012年
社員数:約1500人
http://www.hellofreshgroup.com

コンサルティング(ワークスタイル):自社
インテリア設計:自社
建築設計:自社

text: Yuki Miyamoto
photo: Tamami Iinuma

wsHellofresh170526-10.jpg

(左)新入社員紹介イベントの告知。全社を挙げて新入社員を歓迎している気持ちが見て取れる。(右)オフィスの一角では、過去に開発してきたレシピの数々が展示されている。

※当記事はWORKSIGHTの提供記事です
wslogo200.jpg


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、米提案の停戦計画は「過度」 ホルムズ海峡の

ビジネス

メタ、複数部門で数百人を削減へ リアリティ・ラボな

ワールド

イラン、米停戦案に「前向きでない」 パキスタン経由

ワールド

米国防総省、軍需品増産で防衛3社と枠組み合意 ロッ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 2
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「日本産ミュージカルの夢」に賭ける理由【独占インタビュー】
  • 3
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆保険」を達成した中国の医療保険の実態とは
  • 4
    「有事の金」が下がる逆説 イラン戦争で市場に何が…
  • 5
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 6
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 7
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 8
    地上侵攻もありえる...イラン戦争が今後たどり得る「…
  • 9
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 10
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 3
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 6
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 9
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 10
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中