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トランプ大統領のインフラ計画 「準備完了」でも未着工の理由

2017年5月2日(火)20時05分

「プロジェクトが『準備万端』とされていても、実際にすぐに着工される例はめったにない」と語るのは、リストの双方に関係している2つの企業で社長と経営最高責任者(CEO)を務めるビル・ミラー氏。 

チョークチェリー/シエラマドレ風力発電所の建設に携わるパワー・カンパニー・オブ・ワイオミングと、ワイオミング、コロラド、ユタ、ネバダの4州にまたがるトランスウエスト・エクスプレス送電プロジェクトを開発するトランスウエスト・エクスプレスの2社だ。

政府保有地の一角に建設されているチョークベリー/シエラマドレ風力発電所は、最近になって工事が開始されるまでに8年の歳月と数千万ドルの資金を要した。ミラー氏によれば、トランスウエスト・エクスプレス送電プロジェクトに関しては、依然として州レベルの認可を数件待っているところだという。

「『準備完了』状態にするには、信じられないくらいの費用と時間を使う」とミラー氏は言葉を添える。

トランプ政権は着工に至るプロセスを迅速化したいと述べている。だが、そのプロセスの一部は、州レベルの認可のように、大統領の裁量範囲を超えている。

「大統領のインフラ整備計画の大半は、規制や認可の合理化によって実行可能なすべてのプロジェクトを迅速に推進させることに重きを置いている」とホワイトハウスの報道官の1人は語る。「こうした改革は個別プロジェクトが直面する障壁に対応するというより、プロセス全体における確実性を高めるものだ」

頓挫した海水淡水化プロジェクト

水道関連インフラ開発事業者ポセイドン・ウォーターが提案した、カリフォルニア州ハンチントンビーチに海水脱塩プラントを建設する計画の遅延は、利害の対立と規制によって、いかにプロジェクトが頓挫するかを示す格好の例だ。

ハンチントンビーチのプロジェクトマネジャーを務めるポセイドンのスコット・マローニ副社長によれば、オレンジ・カウンティに飲料水を供給する海水脱塩プラントの構想を最初に提案したのは1990年代末。2000年代初めには認可取得に向けたプロセスが開始した。

ハンチントンビーチ市は2006年2月に同プロジェクトを承認していた。だがポセイドンは、それ以外にも複数の州機関から24もの許可を得る必要があった。たとえば、プラントには環境保護庁が全国的に義務づけている汚染物質排出防止システムが装備されるが、これについてサンタアナ地域水質管理委員会の認可が必要だった。

プロジェクト建設事業者であるポセイドンは、2006年に地元からの承認を得たことにより、カリフォルニア州海岸管理委員会に申請を行う資格を得た。

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