最新記事

<ワールド・ニュース・アトラス/山田敏弘>

オバマを待ち受ける順風満帆すぎる第二の人生

2017年1月26日(木)19時00分
山田敏弘(ジャーナリスト)

Brendan McDermid-REUTERS

<55歳の若さでホワイトハウスを去るオバマ。引退後は講演料収入などで裕福な生活が約束されているが、本人はもともとの人権派弁護士としてコミュニティに貢献したいようだ>(写真:トランプ政権の就任と同時にオバマはホワイトハウスを去った)

 アメリカで、ついにドナルド・トランプが大統領に就任した。政治経験のないビジネスマンがこれから4年間、どのようにこの超大国を率いていくのか、世界中が注目している。

 トランプ政権がスタートしたことで、2期8年に渡ってアメリカの舵取りをしてきたバラク・オバマはホワイトハウスから去った。メディアは今、トランプの一挙手一投足を取り上げているが、55歳の若さで表舞台から去るオバマの今後の動向はあまり報じられていない。

 オバマはどんな第二の人生を送るのか。まずオバマは、退任後すぐに、地元シカゴには戻らない。娘のサーシャ(15)が高校を卒業するまで数年間、ワシントンDC近郊に残って生活を送るようだ。資産価値が500万ドル相当の高級な賃貸マンションに住むと報じられており、しばらく前から家のセキュリティ強化のための回収工事の様子がメディアで取り上げられていた。

【参考記事】オバマ、記者団に別れ「まだ世界の終わりではない」

 今後、オバマが収入で困ることはない。まず、連邦政府の退職者として年間約20万ドルの年金が支給される。さらに、大統領経験者として講演を行えば高額な講演料が転がり込む。例えば、ジョージ・W・ブッシュ元大統領は退任後から少なくとも200回の講演を行い、だいたい1回の講演で10~17.5万ドルを稼いでいる。

 またビル・クリントン元大統領とその妻で昨年の大統領選で敗れたヒラリー・クリントンは、高額のギャラを取って講演を行い荒稼ぎしてきたことで、批判も受けている。クリントン夫婦は2001年から2015年の15年間で、1億5300万ドルを稼ぎ出している。その間、トータルで729回の講演を行い、1回のギャラは平均21万ドル以上にもなる。

 こうした前例を見ると、オバマには裕福な生活が保障されていると言える。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=続伸、S&Pが終値で最高値 グロース

ビジネス

再送-11月の米製造業生産は横ばい、自動車関連は減

ワールド

米最高裁、シカゴへの州兵派遣差し止め維持 政権の申

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、GDP好調でもFRB利下げ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 10
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中