最新記事

日本社会

SNS炎上、アイドル熱愛発覚、ペットロス......生きがいを失う男たち

2016年12月23日(金)11時33分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 さらに、ひとつの趣味の中で分散するのもあり。たとえば、運営コミュニティを荒らされても「僕にはまだ別のコミュニティがある」と思えればいいし、アイドルに裏切られる前に2、3人目の推しメンを作っておけばいいし、ペットロスになる前に他のペットも飼っておけばいい。もっと言うなら、キャバ嬢にハマるなら1人でなく3〜4人に分散しておいたほうがいいし、1人が店を辞めたら、また別の1人を見つければいいだろう。当然ながら、別ジャンルの趣味をいくつか作っておくのもOKだ。

 ポイントは、「失ったあとに代わりの何かを用意して埋める」のではなく、「失ったときにダメージが少ないように、あらかじめ気持ちを分散させておく」こと。年齢を重ねるほど大きなものを失ったときのリカバリーが難しく、なかなか埋まらないのだ。

 また、「かわいさ余って憎さ百倍」と言うように、「コイツに裏切られた」と何かを憎むと、負の感情が心の中にずっと残ってしまう。愛情と憎しみは紙一重であり、人も物も特定の何かへの愛情が強いほど、憎しみに転化しやすく、消えにくい。ただでさえ独身で孤独を抱えているのだから、憎しみまで抱えて生きていくことほど悲しいものはない。すなわち、どんな人や物に対しても、強烈な愛情を抱きすぎないことが、穏やかで楽しい日々を作っていくのだ。

 あるいは、自分に誇りを持てる趣味を1つ持っておくのもおすすめ。たとえば、NPO活動やボランティアのようなピュアなものは、独身者のプライドを満たし、生きる意味の1つにもなりうる。あくまで趣味という以上、楽しめるものが前提だが、「これまでの人生で培ってきたスキルや経験を生かせる」という充実感は何物にも代えがたい。さらに、「人の役に立てている」「生きている価値のある人間だ」という自己肯定感が、他の趣味を突然失ったときのショックをやわらげてくれるだろう。


.........ピュアな趣味を持っていれば、喪失感なんて怖くない

※シリーズ第4回:独身男性の「結婚相手は普通の子がいい」は大きな間違い


『独身40男の歩き方』
 木村隆志 著
 CCCメディアハウス


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

為替円安、今の段階では「マイナス面が懸念される」=

ビジネス

AI集約型業種、生産性が急速に向上=PwCリポート

ビジネス

FDIC総裁が辞意、組織内のセクハラなど責任追及の

ワールド

トランプ氏大口献金者メロン氏、無所属ケネディ氏に追
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 7

    ベトナム「植民地解放」70年を鮮やかな民族衣装で祝…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派…

  • 10

    服着てる? ブルックス・ネイダーの「ほぼ丸見え」ネ…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 9

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中