最新記事

軍事

写真が語る2016年:飛行中の戦闘機F22に超接近

2016年12月29日(木)19時46分

12月7日、英国にある米空軍基地から4月、燃料タンカーに同乗し、クリミア付近で戦闘機への空中給油を撮影した。写真は至近距離から撮影したF22戦闘機のパイロット(2016年 ロイター/Toby Melville)

 英国にある米空軍基地から4月、燃料タンカーに同乗し、クリミア付近で戦闘機への空中給油を撮影した。2016年を象徴する一連の写真について、ロイター・カメラマンが撮影当時の様子を語る。

撮影したカメラマン:Toby Melville

 飛行機に乗るのは大嫌いだ。そのため、英国にある米空軍基地からクリミア付近まで、戦闘機への空中給油を撮影したくないかと問われた当初、私は躊躇(ちゅうちょ)した。

 過去の取材でも、私は何度も具合が悪くなっている。バグダッド上空を軍のヘリコプターで飛んだとき、コソボ山間を通過したとき、また激しい雷雨のなか、チリ上空のアンデス山脈を激しく上下に揺れながらプロペラ機で飛んだときがそうだった。

 だが、またとない絶好の場所からの撮影チャンスを得たことで、私の不安と吐き気はすぐに消え去った。

 午前3時30分に鳴ったアラームが、19時間に及ぶ任務の始まりを告げた。50年という年季の入った巨大で騒音も激しい燃料給油機に搭乗して、空中での8時間のシフト勤務を過ごす。

 米空軍の乗組員たちは、驚くべき機動飛行を行うF22戦闘機ラプターを撮影する機会を、何回か与えてくれた。

 数百ノットの速さで飛ぶラプターは、ほんの数メートルしか離れていなかった。狂いのない正確さで、へその緒のような管が搭乗した給油機の下部から空中に垂れ下がり、ラプター上部の非常に小さく見える開口部とつながった。

 この写真は、パイロットが燃料を受け取る準備をしているところを撮影したものだ。撮影するには最高の窓ガラスに恵まれ、またルーマニアから英国に戻る帰路の視界が良好だったこともあり、私は自分が撮った写真に満足している。

 ありがたいことに、今回の取材中、私は終始落ち着いて過ごすことができた。終了後に報告しているとき、ふらつく足を隠そうとはしながらも、エスカレーターに乗っていて吐いた経験があることはパイロットや乗組員の誰にも言わなかった。それほど私の乗り物酔いはひどいのだ。

[7日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

お知らせ=重複記事を削除します

ビジネス

英中銀の年内利下げ観測後退、ゴールドマンやモルガン

ワールド

EU、ロシア産LNG禁輸を1年前倒しへ 制裁第19

ビジネス

三井住友FG、米ジェフリーズに1350億円を追加出
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 3
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 9
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 10
    「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中