最新記事

アメリカ社会

アメリカ社会にへイトスピーチ蔓延、攻撃的トランプ発言が触発か

2016年11月11日(金)19時07分

 テイラー氏、ヒル氏その他のオルタナ右翼の関係者は、自分たちは破壊行為・暴力行為を支持・許容しないと言う。彼らは、自分たちの発言がヘイトスピーチであるという考えを否定し、彼らに対する左翼による悪口のほうがはるかにヘイトだと主張する。

 合衆国憲法第一修正に見られる言論の自由に関する規定は、煽動的な言葉遣いに対しても幅広い保護を認めている。だが各州・連邦の法令は、法執行機関に対し、人種・民族・宗教・障害・性的志向に対する偏見に基づく「ヘイトクライム」を捜査・訴追する権限を与えている。

 カリフォルニア州立大学の研究者らの記録によれば、昨年のヘイトクライム件数は6%増加しているが、ほとんどの少数派グループに対する攻撃という点では、基本的な変化は相対的に小さいことが分かる。だが、ムスリムに対するヘイトクライムは86%も増加している。

 政治分野の研究者・実務家のなかには、今回の大統領選挙が始まるずっと前から、全般的に礼節の低下が始まっていると考える人もいる。

 インディアナ州ハワード郡で共和党郡会長を務めるクレイグ・ダン氏は、少数派の過激な意見がインターネットやソーシャルメディア上で増幅され「全般的な礼節の崩壊」に拍車をかけていると語る。

 地元の当局者は、自分たちのコミュニティにどのような影響が出るのかと懸念している。

 地元の雰囲気は「より危険で、緊張が増している」と語るのは、ココモ市の民主党に所属するグレッグ・グッドナイト市長。落書きによる攻撃は非常にやっかいだ、と彼は言う。「この街でこんなことが起きるのは記憶にない」

自宅の庭に置いた民主党プラカードに「KKK」とスプレーで書かれたモニカ・ファウラーさん(43)は、こうした攻撃に苦しんでいる。「反対すること自体は構わない」と彼女は言う。「だが、他人を怖がらせたり、苦しめたりする行動を取ることは、考えられない」

(翻訳:エァクレーレン) 

Peter Eisler

[ココモ(インディアナ州) 7日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、最高人民会議代議員選挙を実施

ワールド

トランプ氏、ホルムズ護衛参加要請 日豪は現時点で派

ワールド

アングル:イラン戦争で空の便大混乱、「夢の休暇」一

ビジネス

中国の生産・消費指標、1─2月は伸び加速 中東情勢
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングアップは「2セット」でいいのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 6
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 7
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 8
    ぜんぜん身体を隠せてない! 米セレブ、「細いロープ…
  • 9
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 10
    50代から急増!? 「老け込む人」に共通する体の異変【…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中