最新記事

人工知能

アクティブセーフティ技術で躍進を狙う自動車部品メーカー

2016年10月19日(水)06時15分
アマンダ・ラザニ ReadWrite[日本版]編集部

自動運転車を一般 (c) ReadWrite[日本版]編集部

 自動運転車が販売店の売り場に並び、我々がその車の価値を体験できるのはまだ先の話だが、本社をミシガン州トロイに置く大手自動車部品メーカーDelphi Automotiveはすでにその恩恵に与っている。

 2016年における同社の全世界での売上予想は162〜165億ドルであり、そのうち衝突防止のためのレーダーやカメラといったアクティブセーフティ技術を活用した装置は3億1000万ドルを占めている。また、DelphiのCEO ケヴィン・クラーク氏は、これまでで年間収益が50%の伸びを見せているという。

 DelphiとそのパートナーであるQuanery Systems Inc.は、自動車と物体との距離を光の信号を使って測定する「ライダーユニット(レーザー光線を使ったリモートセンシング装置)」を、車の安全性を高めたい自動車メーカーに向けて、まもなく出荷するところだ。

「これは、決してフィクションではなく実体を伴った結果だ。これらの商品は消費者が追加のお金を支払ってでも欲しいものだろう」と、クラーク氏は語った。

 ライダーや48ボルトの電子システムといった最新技術について、最近のインタビューでクラーク氏はある重要な情報を提供してくれた。

「アクティブセーフティ技術に関して言えば、これまでDelphiが注力してきたのはレーダーや画像システムでした。今回の『ライダーユニット』を搭載した自動車が市場に登場するのは、2021年頃になる予定です。自動車メーカーの取り組みがこれから本格化すれば、より早まる可能性もあるでしょう」

 Delphiはシンガポールにおける配車サービスに向け、多くの自動運転車を来年、同国に投入予定である。同様の自動車は、来年1月にネバダ州ラスベガスで行われるConsumer Electronics Show(CES)で展示されることになる。

 センサーに需要がある限り、画像認識やレーダー、ライダーの類の需要もなくならない、とDelphiは考えている。これらの技術によって、あらゆる環境下で最適なデータ収集が可能となる。自動車メーカーが、一台あたり4つのライダーを付けるとすれば、単価が約250ドルほどであることから一台あたりのコストは1,000ドルになる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米韓が貿易協定に合意、相互・車関税15% 対米投資

ワールド

タイ財務省、今年の経済成長率予想を2.2%に小幅上

ビジネス

中国製造業PMI、7月は49.3に低下 4カ月連続

ワールド

米、カンボジア・タイと貿易協定締結 ラトニック商務
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目にした「驚きの光景」にSNSでは爆笑と共感の嵐
  • 3
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから送られてきた「悪夢の光景」に女性戦慄 「這いずり回る姿に衝撃...」
  • 4
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 5
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    M8.8の巨大地震、カムチャツカ沖で発生...1952年以来…
  • 9
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 10
    「自衛しなさすぎ...」iPhone利用者は「詐欺に引っか…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 10
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中