最新記事

航空機

三菱がMRJ5度目の納入延期リスクを通知、18年半ばに黄信号

2016年10月3日(月)10時00分

 10月1日、三菱重工業傘下の三菱航空機が開発中の国産ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」について、2018年半ばに予定している初号機の納入が遅れる可能性があることを顧客の航空会社に通知していたことが分かった。写真は、シンガポール・エアショー展示会場のMRJブース。2月撮影(2016年 ロイター/Edgar Su)

三菱重工業<7011.T>傘下の三菱航空機が開発中の国産ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」について、2018年半ばに予定している初号機の納入が遅れる可能性があることを顧客の航空会社に通知していたことが分かった。実際に納入が延期されれば5度目となり、受注活動などへの影響が懸念される。

初号機の納入を受けるANAホールディングス<9202.T>傘下の全日本空輸によると、どの程度遅れる可能性があるかなど詳細は明らかにされていなかったが、「技術的な理由で引き渡しが遅れるリスクがあるとの知らせを受けた」という。これに対し、三菱重工側は「納入延期を決定した事実はない」としている。

MRJは9月下旬、10月から始まる米国での飛行試験に向けて、試験1号機が愛知県営名古屋空港から飛行試験の拠点であるワシントン州モーゼスレークの空港に到着したばかり。8月下旬にも米国行きを目指したが、空調システムの不具合で2度、名古屋空港に引き返した。

MRJの開発は08年から本格化。納入開始は当初13年の予定だったが、設計変更や部品仕様の変更などで4度延期しており、15年末には17年4―6月から18年半ばへの変更を発表した。

100席以下のリージョナルジェット市場は今後需要増が見込まれており、三菱航空機は計1000機の受注を目標に掲げている。現在の受注はキャンセル可能分を含めて447機となっている。

(白木真紀)



ロイター


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ高とインフレを楽観視、関税は経済を圧迫へ=E

ワールド

タイ商務相、対米関税交渉に自信 税率10%に引き下

ワールド

イスラエル商都などにミサイル、8人死亡 イラン「新

ビジネス

午後3時のドルは144円前半、中東情勢にらみ底堅い
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中