最新記事

米大統領選

トランプとトランプ陣営、「移民演説」の解釈で大混乱

2016年9月5日(月)18時30分
ニコラス・ロフレド

 コンウェイとジュリアーニはそろって、犯罪を犯していない不法移民への処分をどうするかは決まっていないと主張する。「法を執行し、犯罪者を追い出し、ICE捜査官の数を3倍にし、メキシコとの国境管理を厳しくするなど、あらゆる手を打ってみてからでないとどうなるかわからない」とコンウェイは言う。「その時国がどうなっているか、誰が残っているか、何もわからない。前例がないのだから」

 ジュリアーニは、トランプには家族を引き裂くのは難しいだろうと言う。「アメリカに15年間住んでいた家族を放り出すなんて。しかも子供3人のうち、市民権がないのは1人だけなど、いろいろなケースがあり得る。それを引き裂くのは彼が求めるアメリカではない」

ウソつきはメキシコ大統領のほう?

 側近2人は、アリゾナの演説に先立ってトランプが訪問したメキシコで、エンリケ・ペニャニエト大統領とどんなやりとりがあったのかについても混乱している。トランプはメキシコとの国境に壁を建設する費用はメキシコに払わせるというが、ペニャニエトはトランプに直接、支払いを断ったと言う。

 メキシコまでトランプに同行したジュリアーニは、壁のことは話題に上ったが、今日はこの話はなしにしようと彼自身がペニャニエトに言ったという。「合意できないことを話しても仕方ない」と、ジュリアーニは言う。

 一方、「ディス・ウィーク」に出演中に「ペニャニエトのほうが嘘をついているのか」と聞かれたコンウェイは、「トランプ氏とは意見が分かれていた」と言った。「だがトランプ氏はその日アリゾナに帰るときに壁は作ると明確に述べた。そしてそれ以来、一貫している。もちろん費用はメキシコに払わせる」

「それ以来一貫している」の「それ」は、4日前のことだが。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マクロスコープ:LINEヤフーの憂鬱、AI検索普及

ビジネス

米企業倒産件数、15年ぶり高水準記録する勢い=S&

ワールド

スタバ、バリスタ労組が無期限スト突入 繁忙イベント

ワールド

トランプ政権、カリフォルニア州提訴 選挙区割り変更
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 5
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 6
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 10
    「ゴミみたいな感触...」タイタニック博物館で「ある…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中