最新記事

軍備

「インド海軍向け潜水艦の機密情報流出、安全上のリスクない」仏・印政府声明

2016年8月26日(金)11時03分

8月25日、フランスの政府系造船企業DCNSがインド海軍向けに設計した潜水艦に関する機密情報などが大量に流出した問題で、フランス政府とインド国防省は、情報流出によって安全が脅かされるリスクはないとの見方を示した。フランス・ナントに近いDCNS施設で4月撮影(2016年 ロイター/Stephane Mahe)

 フランスの政府系造船企業DCNSがインド海軍向けに設計した潜水艦に関する機密情報などが大量に流出した問題で、フランス政府とインド国防省は25日、情報流出によって安全が脅かされるリスクはないとの見方をそれぞれ示した。

 24日付の豪オーストラリアン紙が情報流出を報じたことを受け、インドとフランスの両政府は調査を進めている。

 流出したデータは2万2000ページを超える規模で、DCNSがムンバイの国営造船所で建造中のインド海軍の潜水艦6隻の戦闘能力に関する機密情報を含むとされている。

 インド国防省は25日、安全保障上の差し迫ったリスクはないと表明。フランス政府も、流出した情報は潜水艦の操作方法に関する内容に限られ、安全が脅かされることはないとの考えを示した。

 フランス政府関係者はロイターに対し、このデータは2011年にフランス人のDCNS元従業員によって「盗まれた」可能性が高いと指摘。流出した文書は機密指定されておらず、潜水艦の建造方法や探知方法が明らかになったわけではないと語った。

 DCNSは、豪政府と次期潜水艦の共同開発契約を結んでおり、情報流出を受け、豪潜水艦開発プロジェクトにも安全保障上の懸念が生じている。

 先の関係者は、オーストラリアのプロジェクトでは、多くの情報へのアクセスを1人に認めることがないよう、全従業員に対するセキュリティー体制が強化されるだろうと語った。

 DCNSは顧客への被害状況の確認を進めるとともに、今回の情報流出が産業スパイ活動だったかどうか調査中としている。

 フランス議会の国防委員会委員長は「豪政府との対話は続いている。お互いに信頼しており、(次期潜水艦をめぐる)豪政府との契約に問題が生じるとは全く考えていない」と語った。

[パリ 25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請件数は横ばいの21.3万件、労働

ワールド

イラク海域のタンカーで小規模爆発、イランが遠隔操作

ワールド

情報BOX:米・イスラエルのイラン攻撃後の中東にお

ワールド

米ウクライナ、3者協議延期・開催地変更を検討=ゼレ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    「え、履いてない?」モルディブ行きの飛行機で撮影された、パイロットの「まさかの姿」にSNS爆笑
  • 3
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場所にSNS震撼「自国の場所すらわからない」
  • 4
    対イラン攻撃に巻き込まれ、湾岸諸国が存立危機
  • 5
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 6
    「ハリポタ俳優で終わりたくない」...ハリー・メリン…
  • 7
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「旅客数が多い空港」ランキン…
  • 9
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 9
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中