最新記事

日米安保

「沖縄の北部訓練場、来年初めに返還」駐留海兵隊トップ、ニコルソン中将

2016年6月19日(日)10時16分

6月18日、沖縄県に駐留する米海兵隊のトップ、ニコルソン中将は、ロイターとのインタビューで、本島北部の訓練場の一部を来年初めに日本へ返還する用意があることを明らかにした。写真は宜野湾市の普天間飛行場。2013年7月撮影(2016年 ロイター/Nathan Layne/File Photo)

 沖縄県に駐留する米海兵隊のトップ、ニコルソン中将は18日、ロイターとのインタビューで、本島北部の訓練場の一部を来年初めに日本へ返還する用意があることを明らかにした。19日に県内で大規模なデモが予定されるなど、反米基地感情が急速に強まる中、目に見える形で負担軽減に取り組む姿勢をアピールする。

 ニコルソン中将が言及したのは、7800ヘクタールの訓練場のうち、日米政府が1996年に返還で合意した4000ヘクタール。ヘリコプターの着陸地点(ヘリパッド)の移設を日本側が進めることが条件だが、環境への影響などを懸念する反対で、工事は進んでいない。

 ニコルソン中将は、在沖縄米海兵隊の司令部キャンプ・フォスターで取材に応じ「日米間で協議している」と説明。「今年下半期に動きがあると期待している」と語り、ヘリパッド移設工事が始まる可能性に言及した。着工すれば、およそ2カ月で完成する見込みだという。同中将は、「1972年(の沖縄の日本復帰)以来、最大の返還になる」と強調した。

 沖縄県には今も3万人の米兵が駐留。普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古沖への移設反対が強まる中、5月に米軍属による日本人女性殺害事件が発生。その直後に飲酒した米海軍兵が交通事故を起こし、沖縄県民の間には駐留米軍への反発がさらに広がっている。

 「人が住んでいるのに米軍は銃を構え、ブルドーザーで強制的に基地を造った。沖縄の人々は米軍に基地をあげていない」と、タクシー運転手のシモジ・ジュンセイさんは話す。76歳のシモジさんは、1945年の沖縄戦で自宅を失った。

 ニコルソン中将は女性殺害事件の発生後、沖縄県の海兵隊員に対し、1カ月間は基地外で飲酒することを禁じた。今月25日に終了期限を迎えるが、7月4日の米国独立記念日のイベントも、花火を中止するなど規模を縮小する考えを示した。沖縄県内だけでなく、日本全国で祝賀ムードを控える見通しだという。

 6月19日には、那覇市で米軍基地に対する抗議活動が予定されている。主催者によると、これまでで最大規模になる見通し。ニコルソン中将は部隊に対し、デモに近づかないよう注意喚起していることを明らかにした。

 (ティム・ケリー 翻訳:久保信博 編集:田巻一彦)

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

イオン、クスリのアオキ株保有目的から「友好関係維持

ビジネス

再送中国GDP伸び率、第4四半期は3年ぶり低水準 

ワールド

イスラエル、「ガザ執行委員会」の構成に反発 米国に

ワールド

トランプ氏、グリーンランド領有再主張 「ロシアの脅
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 2
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 3
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」も子に受け継がれ、体質や発症リスクに影響 群馬大グループが発表
  • 4
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 5
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 6
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 7
    「リラックス」は体を壊す...ケガを防ぐ「しなやかな…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    中国ネトウヨが「盗賊」と呼んだ大英博物館に感謝し…
  • 10
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 6
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中