最新記事

事故

ディズニーワールド男児死亡でイメージ悪化のおそれ、法的措置の可能性も

2016年6月18日(土)10時25分

6月17日、米フロリダ州オーランドのテーマパーク「ディズニーワールド」にあるホテルの湖沼で2歳の男児がワニに引きずり込まれ、遺体で見つかった事故は、米ウォルト・ディスニーのイメージに影響を与える可能性がある。写真は現場となった湖沼「セブン・シーズ・ラグーン」を捜索する野生生物保護団体職員。15日撮影(2016年 ロイター/Adrees Latif)

 米フロリダ州オーランドのテーマパーク「ディズニーワールド」にあるホテルの湖沼で2歳の男児がワニに引きずり込まれ、遺体で見つかった事故は、米ウォルト・ディスニーのイメージに影響を与える可能性がある。また、専門家によると、同社に法的措置が取られることもあり得るという。

 危機発生時のコミュニケーションを専門とするサム・シンガー氏は、「ディズニー」と聞くと「すべてが楽しい」などのイメージが浮かぶが、今回の事故はそれとはまったく違ったものとなった、と述べた。

 男児は14日午後、「ディズニー・グランド・フロリディアン・リゾート&スパ」に隣接する湖沼「セブン・シーズ・ラグーン」の水辺で遊んでいたところ、全長1.2─2メートルのワニに襲われ、直後に男児の父親が助け出そうとしたが、行方が分からなくなっていた。遺体は15日に行方不明になった場所の近くでダイバーが発見した。損傷はなく、溺死とみられるという。

 ディズニーのボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)は遺族に電話をし、公式に哀悼の意を表明。遺族は声明で「打ちのめされている」とした上で、「対応してくれた地元当局やスタッフ」への謝意を示した。訴訟を提起するとは発表していない。

 複数の法律専門家は、ディズニーが法的責任を負う可能性について見解は異なるものの、同社が問題の早急な解決を強く望む、との見方では一致している。

 専門家らは問題視される可能性がある点として、ディズニーはラウンジチェアを置くなどビーチの快適な環境づくりに努めていた一方で、「遊泳禁止」の標識はあったが、特にワニに対して注意をするよう警告してはいなかったことを挙げた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=上昇、ナスダック最高値 CPIに注目

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、PPIはインフレ高止まりを

ビジネス

米アマゾンの稼ぎ頭AWSトップが退任へ

ビジネス

ソニー、米パラマウント買収を「再考」か=報道
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プーチンの危険なハルキウ攻勢

  • 4

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 7

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 8

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中