最新記事

日米安保

熊本地震への米海兵隊オスプレイ派遣、その狙いは?

オスプレイは被災地の熊本でどう活動? 安全に懸念は? ネパールの前例

2016年4月21日(木)11時46分
関 賢太郎(航空軍事評論家)

賛否の嵐を巻き起こしつつ  19日、熊本県南阿蘇村への救援物資輸送のため海自護衛艦「ひゅうが」に着艦する米海兵隊のオスプレイ(U.S. Navy / Gabriel B. Kotico)

「平成28年熊本地震」の航空輸送支援に、米海兵隊が垂直離着陸輸送機「オスプレイ」を派遣。日本の災害支援で同機が投入されるのは、今回が初のケースです。いったいどのように活動するのでしょうか。また、懸念はないのでしょうか。

「オスプレイ」である必要性は乏しい?

 2016年4月17日(日)、安部首相は在日米軍から申し入れがあった熊本地震における航空輸送支援について、受諾する旨を明らかにしました。これを受けて、アメリカ海兵隊は普天間基地(沖縄県)よりMV-22B「オスプレイ」垂直離着陸輸送機を4機、岩国基地(山口県)へと派遣。18日中にもさらに4機、増派される予定です。

 日本において発生した災害で、「オスプレイ」が派遣されるのはこれが初の事例となりますが、その特性や性能はどのように活かされることが想定されるでしょうか。

「オスプレイ」は飛行機に準ずる非常に優れたスピードと航続距離を持ち、かつヘリコプターのような垂直離着が可能な「ティルトローター機」です。こうした性能は、遠方に急遽展開したり、物資や人員を空輸するといった任務において発揮されます。

 しかし今回の、本拠地である普天間基地から拠点となる岩国基地までの飛行は、それほど遠いとはいえません。また、岩国基地から被災地へ支援物資を輸送する際は200km前後の短距離を往復することになりますから、航続距離はあまり関係がなく、高速性能によって短縮できる時間も片道あたり十数分程度でしょう。負傷者などの急患輸送を担った場合でも、最寄りの医療拠点までせいぜい数十kmですから加速することもできません。したがって、「オスプレイである必要性」はあまり無いといえます。

なぜ「オスプレイ」が派遣されたのか?

 では、なぜアメリカ海兵隊は「オスプレイ」を派遣したのでしょうか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

商船三井のLPG船がホルムズ海峡を通過 日本関係2

ワールド

ドバイの米オラクル施設に迎撃破片が落下、負傷者なし

ワールド

トランプ政権による大学への人種データ開示命令を仮差

ビジネス

アングル:トランプ関税で変わる米国のメニュー、国産
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 5
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 8
    中国は「アカデミズムの支配」を狙っている? 学術誌…
  • 9
    イラン戦争は「ハルマゲドンの前兆」か? トランプ…
  • 10
    60年前に根絶した「肉食バエ」が再びアメリカに迫る.…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 8
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中