最新記事

ナイジェリア

自爆テロの5分の1が子供、少女は性奴隷かテロ実行役に

標的に被害を与えるだけでなく、性奴隷にされた女たちからあらゆる希望を奪うために少女自爆は使われる

2016年4月13日(水)18時54分
ルーシー・ウェストコット

家にも帰れず ボコ・ハラムから救出され、国内難民のキャンプに連れてこられた子供たち Afolabi Sotunde-REUTERS

 ユニセフ(国連児童基金)による最新の報告書によれば、ナイジェリアのイスラム過激派ボコ・ハラムが実行した自爆テロは、実行役の5分の1が子供で、しかも大半が少女だったという。

 2015年には44人の子供が、ナイジェリアと近隣のカメルーン、ニジェール、チャドで自爆テロを行ったと報告書は記す。2014年は4件だった。子供の自爆犯の75%が少女だ。

 ナイジェリア北東部のチボクにある学校から、276人もの少女がボコ・ハラムに拉致されたのはちょうど2年前。救出作戦は失敗し、そのうち何人かは自爆テロ犯に仕立て上げられたと信じられている。

【参考記事】自爆少女たちは爆弾と知らずに吹き飛ばされていた

「はっきりさせたいのは、この子供たちは被害者であって、加害者ではないということだ」とユニセフの西・中央アフリカ地域ディレクター、マニュエル・フォンテーヌは12日に発表した声明で述べている。「子供たちを騙して、おぞましい殺人を強行させているのは、ナイジェリアと近隣国で起こっている暴力の最も恐ろしい一面だ」

 先月にもカメルーン北部で、爆発物を身に付けた若い少女が逮捕されている。少女はチボクの学校出身だと供述したが、後にそうでないことが明らかになった。また、1月にはナイジェリアのマイドゥグリにある市場で10歳の少女が自爆テロを実行し、16人以上が亡くなった。

 2014年1月から2016年2月の間に、子供の関与する自爆テロは最多のカメルーンで21件、ナイジェリアの17件、チャドの2件だ。2015年にカメルーンでは、自爆テロ事件の半数が子供によるもので、ナイジェリアでは7件に1件が子供の犯行だった。

脱走できてもテロリストとして迫害を受ける

 ユニセフによれば、子供を執拗に自爆テロに使うことで、「ボコ・ハラムによる性暴力に耐えて監禁生活を生き抜いても、最悪の結果が待っているという恐怖感を少女たちに与えている」。

【参考記事】「少女自爆」のボコ・ハラムはISを上回る世界一の殺戮集団

 その上、たとえボコ・ハラムの監禁から脱走できても、帰り着いた故郷でテロリストかもしれないと疑われ、汚名を着せられて差別されることも少なくない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、FRB次期議長の承認に自信 民主党の支

ワールド

エプスタイン文書追加公開、ラトニック・ウォーシュ両

ワールド

再送-米ミネソタ州での移民取り締まり、停止申し立て

ワールド

移民取り締まり抗議デモ、米連邦政府は原則不介入へ=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 3
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 6
    【銘柄】「大戸屋」「木曽路」も株価が上がる...外食…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 9
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 10
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中