最新記事

中国経済

中国大手銀行トップ、政府の引き締め政策で西側との報酬格差拡大

世界最大の資産を誇る中国工商銀行会長の給料はJPモルガンCEOのわずか0.3%

2016年4月7日(木)11時27分

4月5日、中国の大手国有銀行は世界最大級の保有資産を誇るが、経営トップの報酬は西側金融機関に比べてかなり見劣りする。写真は中国工商銀行のロゴ。北京で3月撮影(2016年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 中国の大手国有銀行は世界最大級の保有資産を誇るが、経営トップの報酬は西側金融機関に比べてかなり見劣りする。しかも昨年は政府による広範な引き締め政策の一環としてさらに半分に減らされ、概ね欧米銀の初任給を下回った。西側銀のCEOとの報酬格差は一段と広がり、銀行の経営幹部職はアピール度が下がるばかりだ。

 資産規模が世界最大の中国工商銀行(ICBC)<601398.SS><1398.HK>の姜建清会長の昨年の報酬は55万元(8万5000ドル)弱。ICBCの年次報告によると、2014年の110万元から52%減った。

 これは米JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOが手にした昨年の報酬2700万ドルの0.3%にすぎない。スイスの金融大手UBSのセルジオ・エルモッティCEOの1430万スイスフラン(1480万ドル)と比べても微々たるものだ。

 中国の大手銀を率いるのは通例、中央政府が指名した官僚で、大手銀トップ就任は多くの場合、将来政界でより強力なポジションに就くためのパスポートとなる。しかし報酬には上限が定められ、現状では激しく削られている。

 西側と中国の金融機関トップの報酬格差は、世界金融危機後に中国の大手銀が世界ランキングで上位に入り始めたころから拡大傾向が続いている。今や資産規模で世界上位10行のうち中国が4行を占める。

 中国銀の幹部報酬削減は、金融機関が逆風に見舞われている時期に重なった。各行は過去10年で最大規模に膨らんだ不良債権や、中国の景気減速に伴う事業の成長鈍化などへの対応に苦しんでいる。

 かつて中国の国有企業幹部には、追加的な報酬によって安い給与を補う道があった。しかし習近平国家主席が進める汚職摘発により、こうした追加収入を得ることは難しくなった。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ホンダ、本社機能を東京・八重洲の再開発地区に移転へ

ワールド

韓国、AI主導の成長促進へ大幅歳出拡大へ 25年比

ワールド

大統領令発出までに、少なくともあと1回は訪米必要=

ビジネス

米ダラー・ゼネラルが売上高見通し上方修正、消費者の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ」とは何か? 対策のカギは「航空機のトイレ」に
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 7
    「ガソリンスタンドに行列」...ウクライナの反撃が「…
  • 8
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 9
    米ロ首脳会談の後、プーチンが「尻尾を振る相手」...…
  • 10
    自らの力で「筋肉の扉」を開くために――「なかやまき…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 5
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 8
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 9
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 10
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中