最新記事

英国

「EU離脱は外交面で10年以上不透明さが続く恐れ」英政府

EU離脱を説明する文書で政府は、離脱が前代未聞でその影響範囲が予測不能と強調

2016年3月1日(火)10時31分

2月29日、英政府はEU離脱なら先行き不透明さが10年以上続き、打撃を被ると警告した。写真はEU離脱を呼び掛ける英国独立党のバッジ。27日撮影。(2016年 ロイター/Phil Noble)

 英国政府は、同国が欧州連合(EU)から離脱した場合、EUや域外の他の国との関係見直しで、10年以上にわたって先行き不透明な時間が続き、打撃を被ることになりかねないと警告した。

 6月23日に実施予定のEU離脱の是非を問う国民投票で、残留支持を求めるキャメロン首相は今月、EU改革についてEU首脳と合意にこぎ着けた。

 EU離脱の手続きを説明した文書で英政府は、離脱が前代未聞で予測不可能であると強調。「まずは、EUからの離脱、そしてEUとの今後の関係、さらにEU以外の国との貿易上の取り決めについて、英国にとって受け入れられる条件で折り合いを付けるには、10年、あるいはそれ以上かかる」とし、「長期間にわたり不確実性を伴い、英国のビジネスや貿易、国内投資に影響するだろう」と指摘した。「長期にわたって不確実な時期が続くことになる。英国のビジネスや貿易、国内投資にとって重大な結果をもたらすだろう」としている。

 英政府の正式な見解は残留支持だが、内閣の何人かの閣僚や、ロンドンのボリス・ジョンソン市長は離脱を主張。政府が国民を不安に陥れていると批判している。

 クリス・グレイリング下院院内総務もその一人だ。グレイリング氏は、EU加盟国にとって英国と貿易を続けることは財政的利害に関わるため、離脱後のEUとの交渉は比較的早く済むだろうとの見方を示している。

 

[北京 25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23

ワールド

トランプ氏の核施設破壊発言、「レッドライン越え」=

ビジネス

NY外為市場=ドルまちまち、対円では24年12月以
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中