最新記事

パレスチナ

中間層もインフラも壊滅、ガザは5年後に「居住不能」

2015年9月4日(金)17時00分

 ガザの住民1人あたりのGDPは、同じパレスチナのヨルダン川西岸地区の3分の2程度だが、「間接的な経済損失を勘案し、生産能力の破壊で将来失う収入も換算すれば、紛争による損失の合計はさらに高くなる」という。

中間層は壊滅しほとんどが極貧状態へ

 昨年の戦闘では2200人の住民が死亡したが、その大部分は民間人だった。この戦闘で「かろうじて残っていた中間層は壊滅し、住民のほとんどすべてが極貧状態に転落。国際的な人道援助に依存しなければならなくなった」。

 この戦闘で住宅1万8000戸、26の学校、15の病院が破壊され、農業部門や工場、主要インフラ、観光施設が損害を受けた。過去6年間の軍事行動で殺された住民は3782人に上る。

 今年国連は、昨年のガザ侵攻に関して、イスラエル軍とハマスの双方の戦争犯罪を糾弾した。イスラエルは国連の主張に異議を唱え、ガザ侵攻は合法だったとする独自の報告書を公表した。一方イギリスでは、来月訪英するイスラエルのネタニヤフ首相の逮捕を求める請願に、9万5780人の署名が集まっている。

 ガザでは電気、食糧、水道の供給も課題となっている。昨年の戦闘以前も、ガザでは電力需要の40%は供給されていなかった。ガザの住民は飲み水を海岸沿いの地下水に頼っているが、こうした水の95%は飲み水に適していない。そして86万8000人のガザの住民のうち約半数が現在、国連機関の食糧配給に頼っている。2000年時点の7万2000人から大幅に増加した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

電通G、25年10─12月期にのれん減損3101億

ワールド

日米間になお隔たり、調整を加速=対米投融資で赤沢経

ワールド

シンガポール、AI導入・防衛力強化へ ウォン首相予

ワールド

ミネソタ州への移民対策職員増派が終了へ、トランプ氏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベルの「若見え」な女性の写真にSNS震撼
  • 3
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の定説に挑む、3人の日本人科学者と外科医
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 6
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 7
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 10
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中