最新記事

中国社会

やっぱり危ない中国食品、マクドナルドとKFCに打撃

賞味期限切れの肉を販売していた上海の企業から仕入れを行っていたマクドナルドやKFCがうける大打撃

2014年7月22日(火)16時47分
クキル・ボラ

大打撃 中国に展開する米ファストフードチェーンが食品の安全問題でまた信頼を失うことに Darley Shen-Reuters

 米ファストフード大手のマクドナルドとケンタッキーフライドチキンで知られるヤム・ブランズは7月21日、肉を仕入れている上海の企業との取引を中止すると発表し、中国の消費者に陳謝した。この上海の企業は、賞味期限切れの鶏肉と牛肉を販売していたとして当局が調査している。

 マクドナルドは中国版の公式ブログで20日、品質に懸念があるとして、イリノイ州の米食材卸大手OSIグループの傘下にある上海福喜食品が提供する肉の使用を中止するようすべての店舗に指示を出したと発表。ヤム・ブランズも20日に、中国全土のケンタッキー・フライドチキンとピザハットが上海福喜食品への肉の注文を中止したと発表した。

 マクドナルドは声明で、「食品安全はマクドナルドにとって最も重要で、安心してわが社の食品を楽しんでもらうために、国の法律や規制、関連する水準を厳しく順守する」と語っている。

18カ月前にも食品スキャンダル

 中国の新華社通信によれば、中国政府は、上海福喜食品が期限切れの肉を販売していると地元メディアが20日に報じたことで、上海福喜食品を営業停止にした。OSIグループの代表者は、メディアに対して、上海福喜食品に調査が入っていることを認めている。

 マクドナルドとヤムは18カ月前にも、中国で起きた食品安全スキャンダルに巻き込まれている。2012年12月、上海の当局は、第三者機関によって10〜11年に行われた調査で、中国最大のファストフード・チェーンであるヤム・ブランズに卸された鶏肉から高濃度の抗生物質が検出されたと発表。マクドナルドも同じ肉を仕入れていた。

「今回の指摘は、マクドナルドとヤムにとって大きな打撃になる。特にヤムには大打撃だ」と、コンサルティング会社チャイナ・マーケット・リサーチグループで上海の主任を務めるベンジャミン・キャベンダーは語っている。「ヤムは信頼を回復し始めたところで、第2四半期には好調な売り上げだった。今回の件は同社を大きく後退させるだろう」

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米経済活動、ほぼ変化なし 雇用減速・物価は緩やかに

ワールド

米移民当局、レビット報道官の親戚女性を拘束 不法滞

ビジネス

米ホワイトハウス近辺で銃撃、州兵2人重体か トラン

ビジネス

NY外為市場=円下落、日銀利上げ観測受けた買い細る
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 7
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 8
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中