最新記事

内部告発

スノーデンの亡命先はロシア?

逃亡中の元CIA職員はモスクワの空港に足止めされたまま、21カ国に亡命申請を出している

2013年7月2日(火)17時40分
サマンサ・スタインバーン

返還拒否 米政府の機密を持ち出したスノーデンの身柄引き渡しを拒むプーチンの真意は Maxim Shemetov-Reuters

 米国家安全保障局(NSA)の監視活動を暴露し、逃亡中の元CIA職員エドワード・スノーデンがロシアに政治亡命を申請した。

 スノーデンは先月23日に潜伏先の香港からロシアに向かい、首都モスクワのシェレメチェボ空港の乗り継ぎ区域に1週間以上とどまっている。彼に付き添っている内部告発サイト「ウィキリークス」のスタッフが代理人として30日、先に亡命申請していたエクアドルとアイスランドに加え、新たに19カ国に亡命を申請。ロシアはそのうちの1つだという。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は既に、スノーデンの身柄をアメリカに引き渡すつもりはないと明言している。ただし7月1日の記者会見では、亡命を認める条件としてスノーデンはアメリカの機密情報の暴露を止めなければならないと語った。

 プーチンはさらに、スノーデンは「ロシアのスパイではない」し、ロシアの情報当局者がスノーデンと空港でやり取りしていることもない、と述べた。

人権団体も政治家もスノーデンの味方

 プーチン発言の直前、ロシア政府に政策提言を行う団体「社会会議」がスノーデン問題の社会的影響について話し合い、彼を米当局に引き渡す根拠はない、と結論を出していた。

 ロシアでは人権団体も多くの政治家もそろってスノーデンの味方に付いている。

 ロシアのノーボスチ通信によれば、社会会議のウラジスラフ・グリブ副議長は、問題の情報活動によって「アメリカが大変な人権侵害を犯していることは明らかだ。しかもその人権侵害は世界規模で起きている」と語った。「スノーデンは無私無欲かつ公明正大に、自分の役割を果たした」

 ロシアの与党・統一ロシアのベテラン議員、アレクサンドル・シジャキンは、スノーデンをノーベル賞候補に推薦することまで提案している。

 オバマはタンザニア訪問中の1日の記者会見で、アメリカとロシアはスノーデンの身柄引き渡しについて「高いレベルでの協議」を行っていると語った。

 この日、亡命受け入れを検討すると以前に発言していたベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が、天然ガス輸出国フォーラムのためにモスクワを訪問(ベネズエラはスノーデンが今回、亡命申請した19カ国の1つ)。プーチンとマドゥロは2日に会談予定で、スノーデン問題も協議するのではないかとみられている。

GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン紛争、アルミ業界にも影響拡大 カタール製錬所

ワールド

米、イランで自爆型ドローンを初投入 披露からわずか

ワールド

トランプ氏、英首相は「チャーチルではない」 イラン

ワールド

ラトニック米商務長官、エプスタイン問題巡り証言へ 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び率を記録した「勝因」と「今後の課題」
  • 4
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 5
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 6
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「日本食ブーム」は止まらない...抹茶、日本酒に「あ…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 10
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中